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13/9/24

2万4千年の恐怖と、45億年の悲しみ その1~福島県南相馬市と、宮城県南三陸町に行ってきた。

Image by Olia Gozha

2万4千年の恐怖と、45億年の悲しみ その1~福島県南相馬市と、宮城県南三陸町に行ってきた。

「ねぇ今週末ヒマ?今夜から東北に炊き出しのボランティアに行くんだけど、一緒に来てくんない?」 

2011年6月のある金曜の夜、ラーメン屋で働くTから電話があった。

彼の誘いはいつも唐突だ。 


ちょうどうちには、別の友人Nが遊びに来ていた。 
Nも福島にボランティアをしにいったことがあるらしい。 
ボランティアグループと共に、瓦礫の撤去をやったと言っていた。 
だが自分の生活もギリギリで交通費も無いのに、出来ることは少なかったということだ。 
おにぎりの差し入れをしたら、「毎日こんなもん食えるか」と目の前で捨てられたりすることもあるようだ。 
「お前も、覚悟が出来てないなら、安易に行くのはやめておけ」と警告された。 

覚悟なんて全くできていなかった。 
それでも僕は行くことにした。 
正直に言うと、僕が行くことにしたのは、被災者のためではない。 
Tのためでもない。 
僕自身の気分のためだった。 

僕一人の力なんてたかが知れてる。 
見ず知らずの被災者の為に何かをしたいのかどうかもよく分からない。 
だが、Tの誘いを断って予定通りに遊びに出掛けたとしても、 僕はきっと、楽しむことが出来なかっただろう。 
それで僕は、ただ自分の気分のために、週末の約束を反故にして被災地へ出発したのだった。 


この話を公開することにも躊躇いがあったことも付して記しておく。 
「被災地にボランティアに行ってきました!」的なアピールが「ウザい」ということはよく知っている。 
「この偽善者め」と思われても事実なので全く問題は無いが、 
「あなたって優しくていい人なのね」って思われるのは心外だ。 

「あなたもボランティアに行くべきだ」と言いたいわけではないし、 
「被災地の状況を知って欲しい」と言える程、僕が被災地の状況に詳しいわけでもない。 

でも、僕の体験は僕自身にとって貴重なものだったし、 僕の周りにそんな貴重な体験をした人が居たら、それを共有したいと思うんだ。 

それに、僕は絶望的に頭が悪くて、どんなに重要なことでもすぐに忘れてしまう。 
大津波に襲われた南三陸町の凄まじい惨状を見た時、 これは一生忘れてはならない光景だ、と直感した。 
だから忘れないうちに書いておこうと思ったんだ。 

続きは明日。

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