top of page

13/9/16

第五十話 最後の最後まで諦めんな 群馬県長野県山梨県編(8月29日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと

Image by Olia Gozha

第五十話 最後の最後まで諦めんな

埼玉県さいたま市⇒群馬県高崎市⇒長野県松本市⇒山梨県山梨市

≪埼玉県のあるサービスエリア≫

8月29日 AM7:30

 泣いても笑っても、今日が長距離移動は最後。

 だから、うちに帰ったら間に合わない。

 このまま車で、行こう。

 そう思い、外環から、群馬、長野、山梨と回ろうと考えた。

 しかし、一つやり残した用事があったから、新潟県境まで行かなければならなかった。

≪関越自動車道にて≫

8月29日 AM10:00

 Youtubeを通して、樋口了一さんの≪1/6の夢旅人2002≫が流れる。

 とめどなく涙があふれた。

 しんどいからでも、悔しいからでもない。

 旅が終わる寂しさの様なものがあった。

 

 それを、Facebookに書いたら、高知で撮影した女の子からメッセージが届いた。

「何で、大泣きしたのですか?私は、それを卒業研究でやってます」と

『卒論で協力できることがあればいってください。アンケートでもインタビューでもき

ちんと答えます』

 このことは、旅が終わった後日、協力することになった。

 なぜ涙がでてきたのか?

 悔しいとか悲しいとかではない。

 ただ、≪祭りの終わり≫の寂しさはあった。

 そして、俺はやり残した用事を済ませ、群馬県高崎市に向かった。

≪群馬県高崎市 高崎駅≫

8月29日 PM15:00

 高崎駅に到着した俺は、アパレル系っぽい女の子に声を掛けた。

『どうも、全国一周して、美女を撮影している……』

 もういつものくだりだ。

『ちなみに何屋さんなんですか』

「そこの店で、ショップの店員やってます」

『ちなみに、おいくつ?』

「17歳です」

『見えねぇ。いやいや変な意味じゃなくて』

 そんな会話をする。

 意外とアパレルは、肉体労働だということを教えてもらう。

『さて、、、写真を撮ってもいいですかね』

「いいよいいよ」

『ありがとうございます。また、お会い出来たらと』

「この旅がどうなったか、教えてくださいね」

 彼女はお店という≪職場≫に、俺も車の運転という≪職場≫に戻っていった。

 

 ブティックビルの反対側に車を止めていたため、駅の反対側に歩いて戻る途中に、二人

組のおしゃれな女の子達に会う。

『どうも、この辺で美人さんが集まるところってどこにありますか?あーここか』

 なんとも、あれなアプローチだったが、お話をしたかった。

「私達、地元じゃないんです。身内に子どもが出来たので……」

『えっ、お二人はお友達じゃないの?』

「姉妹なんです」

『えーー美人姉妹。旅をしていて初めてだ』

 ここで、改めてこの旅の説明を簡単にした上で、

『あと1日でこの旅も終わってしまうんですけども、もし良かったら写真を撮らせてもら

えませんか』

「全然かまいませんよ」

 快諾が得られた。

 旅の終わりに向けて、少しづつ奇跡のパズルが繋がってきた。

『はいチーズ』




「次は、どこなんですか?」

『長野県の松本市です。約3時間ほど掛かります』

「気を付けて行かれてくださいね」

「御無事でゴールされますように」

『ありがとうございます。再び美人姉妹に会えることを俺も祈ってます』

「あたしが務める喫茶店に来れば、もっと綺麗な女の子がイッパイいますよ」

『おねぃさんじゃなければ、ダメなんです。まぁ冗談はさておいて、本当にありがとう

ございました』


 会釈をして、駐車場まで、全速力で走っていった。

 もう時間が足りない。

≪長野県松本市 松本駅≫

8月29日 PM20:00

 松本に着いて、約40分

 人がやはり少ない。

 時間が遅かったか……

 でも焦らずに行こう。

 これが、最後なんだから

 遠征系は今日が、本当に最後なんだから

 そんな時、一人の可愛い女の子が目の前を通った。

 何かの閃きがあった。

写真云々じゃなくて、何を目指している人か聴いてみようと。

『こんばんわ。42日間掛けて、全国一周を回り、色んなことを聴いて回ってるんですけども、おねぇさんは、何を目指している方なんですか?』

「カフェで、調理する仕事に就きたくて、調理師の専門学校に行ってます」

『凄い。お料理上手なんだ』

「好きなだけで、毎日お勉強しています」

『カフェで、お料理のお仕事。素晴らしい夢だよね。カフェのお料理から夢を紡げるこ

とは素敵だ』

「ありがとうございます」

『さてさて、全国一周回って、写真も撮っているんですけど、もし良かったら撮らせて

もらってもいいですか』

「うーん、どうしよー」

『じゃあこうしましょう。写真を撮って下手くそだったら、撮らせないということで』

「これなら大丈夫ですね」


『ありがとうございます。今度は、お料理を食べさせてくださいな。いつの日か、理想

のカフェで』

「ありがとうございます。頑張ってくださいね」

 彼女は、この出会いの後、色んなこと、学びを教えてくれる。

 そして、この物語を書きだしたときから、早く出てこないかと、楽しみにしていると聴

いた。

 旅の終わりの方だが、そこから始まった物語もある。

 そして、会釈をして、山梨県甲府市に向かった。

 着くのは、多分PM11時過ぎ。

 

 もう不安はない。

 これで、車での移動系は最後なのだから

 

≪山梨県甲府市 甲府駅付近の路上≫

8月29日 PM11:20

 中央自動車道をひた走り、山梨県甲府市の甲府駅に着いた。

 この時には、何かわからない自信にあふれていた。

 そんな時に、素敵な女の子と目が合った。

『こんばんわ。全国ツアーをしながら、女の子を撮影して歩いている……』

 もう、この言葉だった。

「凄く面白いコトやってません?」

 そんな反応に、思わずガッツポーズした。

『そうなんです。いよいよ神奈川、埼玉、千葉を残すだけの、明日が最終日となってしまいました』

「撮影するならいい場所があるんです。行きましょ」

『はい。喜んで』

 奇跡とは、まさにこういう事だ。

 少しづつ積み重ねてきたものが、今カタチになって現れる。

 彼女が、教えてくれた場所は、甲府を代表する場所だった。

 しかし、この時間帯は、照明も消えていて、≪甲府らしさ≫は出せない。

 通りかかった古民家カフェで、撮影することを聴いてみた。

「じゃあそこで撮りましょう」

『ありがとうございます。ぜひまたいつか』

「写真展やるなら、教えてくださいね」


 そう。

 僕は、この旅の途中で写真展を開催することを決めていた。

 感謝の気持ちをどうやってあらわすか

 拙い文章でダラダラ伝えるよりも、≪タイトル≫とストーリーを見に来ていただいた方

々に伝えていきたいと。

 そして、埼玉の浦和に向かおうと思っていたが、到着予定が2時になり、多分困難にな

ると判断し、自宅に帰った。


PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page