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13/9/13

何の取り柄もない自分が、グラフィックデザインで独立するまでのお話し。「第二話 〜大学時代・前編〜」

Image by Olia Gozha

性の境界から学びを得る、大学時代。

そんなこんなで漫画を通し、“モノづくり” という人生を奮い立たせるような生き甲斐に覚醒し始めた時、高校卒業の時期を迎える。「漫画なんか描いてたら女の子にモテない!」という考えのもと、一切の迷いなくペンを置く。オートバイで日本を走る、を公式の趣味とした上、“男女交流の聖地” とどこからか聞いた、テニスサークルへ入部。


ところが、全くモテない。おかしい。ちゃんとオタクから足を洗い、髪の毛だってライトブラウンにした。言葉づかいだって、ちょっと悪さを感じながら、丁寧なラインはギリギリ守っているのに。


テニスサークルに入っても、テニスがうまくないとモテない。ということに、卒業後に気づいたのは、また別のお話し。(それ以外にも、たくさんあるだろうけど…。)


そんなこんなで状況も特に変わらず、大学3年の夏。「うちのサークルでオリジナルTシャツをつくりたい。誰かデザインしてくれる人はいないか。」という話がリーダー的存在の人物から出てきた。



モノづくりの楽しさを多少なりとも知っている自分。少し興味を持ったけれど、「どうせそんなことしてもモテないし…。」と聞き流していた。結局、誰からも手が挙がらない。

皆で一緒に合宿で着る、という目的とスケジュール程的な問題もあり、「Wordかなんかで打ち込んだフォントをそのままプリントすればよくね?」というイケイケな発言が渦を巻き、それが見事に実現されようとしていた。

ここで自分の中で疑問が湧く。それは正しいモノづくりか?オリジナルといえるのか?小学校時代、中途半端なイジメを受けていた。クラス全体の見て見ぬふりが大嫌いだった。その自分自身が、まさに見て見ぬふりしようとしている…。そもそも、小ロット数で1枚あたりが高価なそんなTシャツにお金を払いたくない。


もう既に自分の中では、モテる/モテない、という次元の問題ではなくなっていた。そうだ、モノづくりの楽しさ。あの経験を今、生かすべきだ。自分の中で何かがハジけた。赤い実ではない。赤い実は遠い昔。幼稚園の時、容姿の綺麗な先生を見た瞬間にハジけた。入園式のタイミング、でだ。

ハジけたのは、白い実とでもいうべきだろうか。これからの人生を大きく変える、ターニングポイント。「シ・ロ・イ・ミ」。それがハジけたのだ。会議中の教室内。前触れもなくいきなり席を立ち、大きい声で皆に向かって、

「ちょっと待った!!!!!」


と言えるわけもなく、「オ、オレ、昔イラスト(※)とか描いてたから、なんていうか、Tシャツ…オレ?がつくれば、もうちょっと…もうちょっと、いいのはできると思うんだけど…。」とリーダー的存在の人物に、影でゴニョゴニョと伝えることに成功したのである。(※ “イラスト” を “漫画” と伝えないとこがポイント。)


… … 「第三話 〜大学時代・後編〜」 へ続く …

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Image by Jukka Aalho

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