おい、オマエ…現実みろよ。世の中、甘くねーぞ。

友達、両親、兄弟、同僚、先輩、上司…
あなたも誰かに一度は言われたことがあるかもしれませんね。
決して誇れることではありませんが、
私は小さい頃から言われ続けてきました。
「なぜ、否定するのだろうか?」と、
当時の私は全く理解できませんでした。
しかし、今、冷静になって考えてみると、
否定されてしまうのは仕方がないことでした。
なぜなら、夢を実現させる明確な証拠、ビジョン、知識
私はこれらを何一つ持ち合わせていなかったからです。
そりゃあ、否定され、バカにされるのも仕方ありません。
でもね。
これだけは断言させていただく。
夢を実現させる明確な証拠、ビジョン、知識は
夢を語るタイミングで持ち合わせる必要はない。
夢を語ることに資格は存在しないのだから。
夢を語り、バカにされ、否定された後に、
自分のペースで少しづつ集めればいい。
だからこそ、私はこのような人に伝えたい。
夢を追い続けている人
夢を閉じ込めてしまった人
夢を語り否定された人
夢を追いかけ心が折れそうな人
夢を語る重要性、有意義さはもちろんのこと、
周囲の否定に隠された本当の意味、真意を。
そして、私はあなたに強く言いたいことがある。
「夢を語って、大いにバカにされよう」

なぜなら、、、
夢を語らなければ物語は決して始まらないのだから。
8年前、こうして私の物語は始まった。
2005年、私が高校3年生の時だった。
高校の仲良しメンバー数人と夜通しで遊び
小腹が空いたので朝ごはんを食べるために
墨田区の白鬚橋近くのデニーズに入った。

テーブルに着くなりモーニングメニューから
各々、食べたいモーニングセットを注文した。
モーニングメニューを注文すると、
「スクランブルエッグ or 目玉焼き」
どちらかを選択することができるのだが、
私たちの趣味嗜好は様々だった。


近嵐誠美「絶対にスクランブルエッグだろ!!!!」
友達A「いや、絶対に目玉焼きだろ!!!!」
友達B「いやいや、絶対に半熟の目玉焼きだろ!!!!」
このような調子でモーニングセットを注文してから
お互いの持論を持ち寄り熱い議論を交わした。
しかし、相手の意見に納得はできないが、
相手に意見を納得させる必要性もないので、
朝食を食べた頃には争いは沈静化していた。
答えのない議論はある意味面白い。
そう気付くことができた議論だった。
そして、「小腹を満たす」という目的を果たしたが、
私たちは「家路に着く」という選択を取らなかった。
なぜなら、特段、長居する理由もなかったのだが、
急いで帰らなければならない理由もなかったからだ。
家に帰って、しなければならないことも特にない。
家に帰って、したいと思うことも特にない。
とはいえ、、、私たちには目新しい話題などない。
いつも学校で一緒にいる、謂わば親友だからだ。
長い付き合いの私たちが盛り上がる話題というのは、
恋愛、文化祭、体育祭、合唱祭、修学旅行の話や
私が数学の教師に授業中飛び蹴りを食らった話など
過去の出来事に対する思い出話が中心だ。
しかし、不思議なもので…
何度も聞いた、話した話題にも関わらず、
オチも解っているのに飽きずに盛り上がった。
ドリンクバーを何度も繰り返しおかわりしながら
2時間、3時間と他愛も無い話で花を咲かせた。
(店員からしてみれば困った客だったはずだ…)
時折、話題が尽きそうになったのだが、
私たちは必死に話題を捻出し続けていた。
なぜなら、無意識で理解していたのだろう。
私たちにまもなく「別れ」が訪れることを。
受験も終わり、各々進路が決定していた。
あと少しで高校を卒業し次に歩みを始める。
傍から見れば不毛にしか見えないこの場も
私たちにとっては“かけがえのない”瞬間だったのだ。
とはいえ、夜通しで遊びんでいた疲れもあり、
流石に眠気が襲い始め沈黙が増え始めた。
小腹を満たそうと何気なく入ってから約4時間。
「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
と、誰かが言い出すのを心待ちにする
そんな頃合だったのは間違いなかった。
しかし、この瞬間をもっと楽しみたい気持ちと
早く家路に着いて布団にダイブしたい気持ちが
入り交じり誰も言い出すことはできなかった。
そんななんともいえない空気感が漂う中、
私が空を切るように放った一言で…
この場の空気がガラッと一変した。
「俺…会社作ってお金持ちになるわ!」

彼らは私の唐突もない一言に困惑した。
開いた口が塞がらない
二の句が継げない
寝耳に水
鳩が豆鉄砲を食ったよう
彼らの困惑した状況を表すなら
これらのことわざが相応しいことだろう。
約1分ほど…沈黙が続いた。
間違いなく彼らは私の言葉を聞いたはずだが
彼らは聞いてないかのように沈黙していた。
そして、彼らのリアクションを求める前に
私はさらに唐突もないことを語りだした。
近嵐誠美「なんか大きなことをしたい!!!」
近嵐誠美「敷かれたレールには走りたくない!!!」
近嵐誠美「絶対に会社を作ってお金持ちになってやる!!!」
近嵐誠美「社会に影響を与える事業を作ってやるぜ!!!」
あなたには念を押して伝えておきたい。
当時、私には計算された夢の設計図があって
こんなことを友達に語り出したわけではない。
ただただ漠然にそう思っていただけなのだ。
実現させるためのシナリオが無いことは
私自身も解っていたし、友達も解っていた。
だからこそ、友達たちは笑いながら私に言った。
友達A「オマエさ…現実見ろよ。」
友達B「世の中、オマエが思うほど甘くないぜ。」
友達C「もっと現実的な将来を考えた方が身のためだぞ。」
友達D「お前って…夢追い人だよね。ってか、お前…ドリチェじゃね!笑夢追い人を英語にしたらドリームチェイサーだから略したらドリチェでしょ!笑」
友達全員「あはは、それマジウケる!オマエ、ドリチェだわ!大爆笑」
夢を語り、否定されたバカにされた
惨めさ、儚さ、切なさ、悲しさ、憤り…
今でもこの時の感情を鮮明に覚えている。
できることなら、彼らを言いくるめたかったのだが、
私には彼の言葉に反論する余地は1ミリも無かった。
感情的になっていても解るぐらい
友達の発した言葉通りだったからだ。
そんなに甘いものではない。
夢を追い続けても叶うとは限らない。
ましてや、明確なプランもない。
そんな私はどっからどうみても、
正真正銘の単なる夢追い人であり、
「お前ってドリチェじゃね?」と
笑いものにされても仕方がない。
しかし、私は諦めが悪い男だった。
彼らにバカにされて悔しかったのと同時に
とあることを心に誓い、友達に言い放った。
夢を追いかける人間を舐めるなよ!
私はオール明けということもあり、
おかしなテンションだったからこそ、
いつもより興奮していたのかもしれない。
その興奮のお陰で私は言いたいことが言えたのだ。
近嵐誠美「俺は無謀な夢を語るバカかもしれない。けど、そんな夢追い人が夢を実現させたらそれはそれで凄いことだとは思わないか?」
近嵐誠美「夢を追いかける人間を舐めるなよ!俺は絶対に実現してやるからな!必ず社会に多大な影響を与える会社を作る!お前ら!絶対に覚えておけ!!!!!!」
友達全員「…(無言)」
彼らはただただ呆然としていた。
しかし、私が最初に言い出した時の反応と
この瞬間の反応は異なるものだった。
私の熱意、情熱、覚悟、誓い、強い気持ちが
嫌でも彼らに伝わってしまったからだろう。
根拠のない自信。
根拠のないコミット。
彼らからすれば反応に困るのは当然だ。
そして、私はさらに“あらぬ”一言を放った。
その“あらぬ”一言で彼らの態度が一変した。
まさか…この時、
この“あらぬ”一言を私が8年後に実現するとは
彼らとしては夢にも思わなかったことだろう。
8年後に実現した状態で私と再会するととなり
この“ドリチェと罵られた話”が過去話の一つとして
いつしかのデニーズのように時間を忘れて盛り上がるとは
どこの誰が想像することができたのだろうか…。
強いて言えば、私はこの未来を想像できていた。
だからこそ、、、“あらぬ”一言を放ったのだ。
その“あらぬ”一言とは…?!