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13/9/3

第4回 日本の会社辞めて中国上海で働くまでの経緯。

Image by Olia Gozha

市内に入ってタクシーに降りた。


間違いなくここは上海。


僕とLLキャリーバックとかばん。

もちろんだいたいの位置は把握しているけど、自分がどこにいるのかさえよくわからない。


大学時代の先輩(以後ジョーと記載)と彼のオフィスで待ち合わせしている。

目印のポルシェのディーラーがあるビルに入る。


オフィスの前で電話するとジョーが登場。

「よくきたなカメ(自分のこと)。メシでも食べに行こう!」

僕はLLのキャリーバックを持ったまま先輩の案内でタクシーに乗り込む。


以前に聞いた事がある。

日本は外国人からすると醤油の匂いがすると。

上海も独特の匂いを感じた。

そして東洋のパリ、魔都といわれたエネルギッシュな街が僕を試してるかのようにきらびやかに輝いてそれぞれのビルが存在を主張していた。


半年ぐらい前からすでに上海に住んでいるジョー。

タクシーに乗り込むとジョーは中国語で目的地を伝えて運転手と軽く会話している。

単純にかっこよかった。

自分も半年後にはこんなふうになれているのかなと想像した。

でもそれはそうなれているのかどうかという不安ではなく、

そうなってやるという気概をベースにした想像だった。

きっと先輩もあえて僕を刺激するためにもハングリーであるようにと運転手と会話したんだと思う。

気が引き締まった。


ジョー「KTV行くか」

僕「KTVってなんすか」

ジョー「まあ日本のキャバクラみたいなとこ」

僕「いいですよ」

ジョー「そこでデリバリーで飯も食べれるから」


人見知りの僕はそういうキャバクラやカラオケは苦手だ。

おそらく日本だったら断っていたと思う。

でも僕はもう上海に住むことを覚悟していた。

覚悟とは、まず全てを受け入れるという気持ちを持つことだった。

断る事無くジョーと一緒に向かう。

KTVとは、通称カラオケ。

キャバクラにカラオケがついたような場所。

男としては楽しいかもしれないけど、女性の皆さんには勘違いしないでほしい。

単純に女性と会話するだけ。男は単純でバカなのだ。


15分ぐらいすると、KTVについた。

LLのキャリーバックを持って、僕は中に入る。

100人ぐらいの女の子が、「いらっしゃいませ」と挨拶する。

その100人ぐらいの女の子が並んだ通路を歩きぬける。

僕はなんだか恥ずかしくて、誰とも目を合わせられなかった。

圧倒されていた。

そのままボーイに案内されて部屋に向かった。



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