top of page

13/9/2

ヘタレ貧乏、起業する 第2話:夢の始まり。

Image by Olia Gozha

人間は夢を見る。

「夢」って一体なんだろう?

寝てる時に見るものも夢という。

目覚めている時に見る叶えたいことも夢という。

間違いなく言えることは、この時の僕はまだ「夢の中」にいた。


ヘタレ貧乏、起業する 第2話:夢の始まり。

考えても仕方のない、自分の力でどうにもならない事柄についての妄想は終わらせた。


1999年は前年に「ネオ・フォーク」と呼ばれるジャンルを確立したゆずが大ブレイクしており、あちらこちらの駅でストリートミュージシャンがギターをかき鳴らす、いわゆる「路上ライブブーム」の真っ盛りだった。

「19」や雷波少年からブレイクした「サムシングエルス」などを覚えている人も多いはず。実はこの頃、ゆずが好きだった訳ではなかったのだが、たまたまラジオを聴いていた時に「ゆずのオールナイトニッポン」という番組が流れていて、その放送の中で「クリスマスイブにチャリティー募金をしてくれるストリートミュージシャン募集!」という言葉を聴いた。

僕は丁度未来の相方になるクニからの影響でギターを買い、毎日猛練習しながら漠然と「ミュージシャンになって、自分の曲で誰かを感動させられたら面白いなぁ」と思っている時だった。ただこの頃はまだGLAYやラルクなどのバンドが勢いのある時だったので、どちらかというとそっち方面に行きたいと思っていた。とはいってもあくまで「漠然と」だ。

もともと人前が大のニガテで人間嫌い真っ最中だったから、そんな自分が出来るわけがないと思っていたし、踏み出す勇気も気力もなかった。友人と呼べる人間も学校をサボるためにウチに遊びに来ていたクニくらいだ。つまり、そんな状況にあった僕に「バンドを組む」なんていうのは夢のまた夢、という感じだった訳だ。


でもこのラジオを聴いた時、「これなら、もしかしたら・・・」と思った。

ゆずのように二人組みでギターとタンバリンだけでも音楽はやれるのか。色々と考えてる内に気づいたら僕はクニに電話をかけていた。


結城「クニ、ゆずのラジオ聞いたか?面白そうだからやってみない?」

クニ「それはものすごく恥ずかしいな。俺はちょっとやめとくわ・・・」


クニとはよく一緒にカラオケに行っていて、その歌の上手さと声の良さに僕は惚れ込んでいた。一人でやる勇気はさすがに出なかったから、なんとしてでもコイツを誘うしかない!

やるかどうか自分の心も決まっていないのに、気づいたらクニを説得していた。最初は頑なに断られたが、執念とこれまでないほどのしつこさで口説き落とすことに成功。もしかしたら、僕が本気で人に「これをやろう!」なんて言ったのはこの時が始めてだったかもしれない。

それからすぐにゆずの曲をコピーし始め、イブまでの2週間、ひたすら練習をすることになる。初めてやることに、ワクワクがとまらなかったせいか、当日までにゆずの曲をすべて完全に覚えることができた。

確か50数曲だったと思う。若い頃の記憶力ってすげぇな。

そして運命の1999年12月24日。僕はこの日を境に夢追い人になった。

・・・つもりだったが、ただの勘違い野郎だったことに後で気づくことになる。

つづく。


PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page