これは友人JUNの語であり、JUNの言葉を僕(Makoto)が文字に起こしたものです。
【Makotoとの出会いは、3年ぶり。そして、運命はmixiから始まった】
きっかけはmixiだった。
大学3年21歳の秋に、当時友人間で流行っていたmixiにて高校の同級生と3年ぶりに偶然、再会した。
彼は高校時代部活が一緒だったMakotoである。
正直自分とはタイプが違うと思っていたが、当時の軟式テニス部を通して意外と仲が良かった。そんな彼だ。
とりあえず久々に飯でも行こうよーということで、
大学生らしく「ガスト」をチョイス。
お互い近況報告をしていると、
なんとこいつ推薦で入った大学を辞めて、よくわかんないITベンチャーで働いているという。
(彼は自分の仕事内容を説明していたが、正直当時の俺にはよくわかんなかった)
昔話に華が咲き、お互い車好きということで、
当時バイト代をはたいて買った「マジェスタ」で首都高ドライブ。
当時乗っていたクラウンマジェスタ
高校時代の同級生なんて懐かしかったな。
そんな感想を残して久々の再開は終わった。
秋も深まった頃、彼から久しぶりにメールが来た。
Makoto「俺、会社辞めて自分で会社作ることになった」
正直友人が起業ということにいまいち実感がわかなかったので、
「そうなんだ、すごいじゃん」
とありきたりな返信。その後
Makoto「とりあえず、飯でも行こうよ」
この「とりあえず」が彼の今日でも口癖である。
その日の深夜、ガストにて。
自分が言い出したら、なんでも即日なのも今日の彼の特徴である。
Makoto「俺自分で会社作ることになった。人出が足らないから手伝って欲しい。」
そう告げられ、正直半信半疑だったが、
「まぁ俺の出来る範囲なら」
と、とても曖昧で軽い返答をした。
正直、その時の彼の言葉には、自信の中にも明らかな不安があった。
そしてそれが俺にもわかったからだ。
【Makotoの怒涛のハイペースに飲み込まれる】
しかし、そこからの彼は早かった。
翌日夜には俺の自宅にパソコン一式を持ってあらわれたのだ。
「アフィリエイト」
という未知の言葉を聞き、高校時代と変わらず舌っ足らずな彼から夜通し業務内容を教わった。
当時のMakotoは自分のコンプレックスを直すとかで、歯科矯正の最中らしく滑舌の悪さにより拍車がかかっていた。
パソコンスキルといえば、キーボードを見ながら叩ける程度の俺、
Makoto「このタイピングゲームを毎日やって、一ヶ月でブラインドタッチを身につけて」
とか、
これがこーで、あーでこうしてなんていうのを、
全て口頭で説明され、必死にメモしたのだった。
明け方帰っていく彼を見送り、少しの仮眠をとって大学へ行き、
家に帰ってくるとまた彼がやってくる。
そんな日々が1週間ほど続いた。
こいつ、一体いつ寝てるんだ?
そんな疑問をリアルに思っていた。
【明確な目標設定=レクサスのIS-Fを買う!】
怒涛に過ぎた週末日曜の午後、またMakotoがあらわれた。
デートの予定をキャンセルさせられて強引に車に載せられ、一言。
Makoto「ねぇ、せっかくこうして僕に関わって仕事するんだから明確な目標設定をしようよ。いくらほしい?」
そんな質問だった。
ぶっちゃけ手伝うと言ったものの、具体的な報酬も決まってない中で何を言ってるんだこいつは
と思いつつも、ちょっと無理目で
「じゃあほしい車の頭金で100万!」
と言ってみると、
Makoto「いや、小さい。もっと大きく」
と言われた。
正直当時100万も稼げるなんて全く思っていなかったので、
どうせ無理な数字ならと
「じゃあレクサスのIS-Fの頭金300万!」
と言うだけ言ってみると、
Makoto「じゃあそれで!300万たまったらレクサス買いに行こう!」
という話になり、そのまま彼はレクサスのお店に電話して、IS-Fの試乗をすることとなった。
LEXUS IS-F
若い僕らを見て、少々戸惑い気味ながらも素晴らしい接客で1から10まで教えてくれるスタッフの方。
さすがレクサス!と思っていると横で作ったばかりの「代表取締役」の名刺を振りかざし、
Makoto「来年の3月までに頭金300万でIS-Fを買います」
と自信満々に言うMakoto。
ビッグマウスもほどほどにしろよと横でたじろぐ俺。
しかし単純さが最大の売りの俺は、実際にIS-Fを試乗させてもらって完全に彼のペースに乗せられてしまった。
「ひょっとしたら本当に買えるんじゃね?」
そんなことが脳裏に過ってしまった。
自分の単純さもそうだが、この頃のMakotoには鬼気迫る迫力みたいな物があった。
【Makotoが、アメとムチを使い分けとにかく負荷をかけてくる】
レクサスに行ってテンションが上がった俺だが、
仕事の方は成果に繋がる前の下積み段階が続いていた。
この日を境にMakotoからの仕事の量は飛躍的に増え、寝る時間を削るレベルに負荷をかけて行った。
言われた仕事量をこなすには時間をかけるだけでなく、
効率化を図らないとどうにもならない量で、この頃から
「どうしたら同じ仕事を早く終わらすことが出来るか?」
そんな事を中心に考えながら取り組むようになった。
この考え方は、その後就職してからとても役立っている。
1ヶ月もしてくると、当時膨大に感じていた作業にも慣れ、
徐々に作業時間が減ってくる。
日々の進捗連絡でそれを察していたMakotoはそのタイミングで、
作業量を増やしさらに負荷をかけてくる。
大学4年の暮れ、
理系とはいえ、だいぶ授業数も減った俺はこの頃から生活リズムが逆転し、
昼間の大学で睡眠を取り、帰宅後の彼との仕事がメインといった生活になった。
【RX-8とBMW】
2ヶ月目も後半に入り、だんだんと成果も伴ってきたのだが、
人間ダレるのである。
俺も例外ではなく、当時Makotoの仕事を手伝う前にやっていたカラオケバイトの月給を大きく上回り、
正直このペースで十分じゃないかとという甘えが出ていた。
そんな中、さすがというかそんなタイミングの頃に彼は甲突に
Makoto「JUNちゃんも目標の車目指して頑張ってるから、一足先に新車買ったわ」
とMakotoがずっと欲しがっていたMAZDA RX-8に乗ってドヤ顔であらわれたのだった。
これが一番の衝撃だった。
「俺は人と違うことをしてビックになる!」
なんて言っていた友達は他にもいたが、
彼は目標設定をした上で、その目標に結果を伴わせて来たのだ。
身近な同級生だと思っていた彼のこの行動は、自分に再びやる気を起こさせるには十分なカンフル剤だった。
そんなMakotoは週末に息抜きを兼ねてドライブに誘ってくれた。
(この頃には全ての予定において彼を優先し、彼女のデートもほとんどすっぽかす様になっていた)
MAZDA RX-8(当時21歳だったのでナンバーは21)
車中でMakotoは一言、
Makoto「今の目標は、俺の中では達成するのが見えるんだよね。JUNちゃんが本当に欲しい車って何?」
「!?!?」
もうね、こいつはまたまた何を言ってるんだと。
この舌っ足らずはどんだけ自信過剰なんだと。
正直そう思ったわけです。
今思えば、当時の俺ら2人はなんで全ての基準が「車」なんだと笑
とわいえ、その時口を出たのは、
「えっ、じゃあBMWのM3クーペって車」
この車、実は新車で1,200万、程度の良いディーラー中古車で800万くらいです。
ずっと欲しいなとは思っていて値段だけは常に調べていた車でした。
Makoto「うーんと、じゃあ中古の800万として500万頭金入れればJUNちゃんでもローン通るし、残りは月々3万くらいの支払いでいけるから、これから就職して社会人になっても払えるでしょ」
「うん、まぁ3万ならしばらく実家暮らしだし、駐車場代や保険料、ガソリン代入れてもいけると思う。」
Makoto「じゃあ最終目標はそのBMW M3にして、とりあえず実物見たことないから今から乗りに行こう」
「えっ今から!?」
そんな感じでBMWのホームページをググってM3の試乗車に乗れるところを探して片っ端から電話するMakoto。
こいつはまた何を言ってるんだと、そのことばかりが頭をループする俺。
30分後、もともと出荷台数が少ない車だが、なんとか試乗が出来るお店を探して早速向かう彼。
お店に着くと、21歳そこそこの僕らを見て明らかに見下してる担当者の方。
ここでも彼は作って日の浅い「代表取締役」の名刺をかざしてビッグマウスをかましてた。
Makoto「頭金500万でM3クーペの購入を考えてます。試乗してもいいですか?」
具体的な金額と購入意思を示す事が大切らしい。たぶん……。
試乗の段取りが整った。
俺自身、憧れていたとはいえBMWに試乗をするのは初めて。
実際にエンジンをかけてアクセルをちょっと吹かしただけで、
あっさりとこの、最高級ドイツ車に心打たれてしまった。
「この車が欲しい」
夢が目標に変わり、確信に変わった瞬間だった。
【寝食を忘れてガムシャラにってこういうことだったんだ】
こうして僕は、いともあっさりと彼の策略にハマり、
その後人生最大の集中力とポテンシャル発揮することとなった。
大学は完全に睡眠の場と変わり、仕事以外の予定は一切入れずに
とにかく最大限作業時間をとって、効率化を図りながら打ち込んだ。
人生でこれだけ集中して何かに打ち込んだのは、
高校受験でも大学受験でもなく、後にも先にもこれだけだった。
新しい回線を引き、パソコンも増え戦場と化してゆくMy room
Makotoはその間も自分の仕事を終えて、深夜の12時頃に車であらわれ、
2,3時間仕事の確認をし、その後明け方まで首都高をドライブして、
さらに「ガスト」で朝ごはんを食べて帰っていく、
というハチャメチャな事を週3日ペースで続けていた。
車の中では時に、今後の夢を語り合い、時に俺は爆睡をしていた。
ハチャメチャな毎日の中、とにかく結果を残すことに必死だった。
無我夢中でとにかく我武者羅に、目標に向かっていた。
大学生活も消化試合だと思っていたこの時期にこれだけ充実した毎日が送れるとは思いもよらなかった。
そして、仕事を始めてから3ヶ月後ついに・・・
【あまりに現実感がなかった500万という数字】
俺は目標金額である500万円を達成した。
正直な感想、500万という数字を聞いても、全く実感が沸かなかった。
それまではバイトの給与でもらった15万円が最高額だった。
自分の通帳を見ながら5,000,000円、0が6個付く金額を眺めるのは初だったので、俺すごいなーなんて思っていたりもした。
実際に現金を見たわけではなく、通帳に振り込まれただけだったので余計にそう感じたのかもしれない。
ともかく、俺は22歳にして500万を稼いだのだ!
ちなみに現金だとこれくらいって後で写メが送られてきた
【ドイツ製の最高級車の納車、そして俺が伝えたかったこと】
3月、ついに納車の日を迎えた。
500万円という金額は一回も現金で見ることはなく、
文字通り右から左へBMWへと振り込まれていった。
そして、この日俺はBMW M3のキーを受け取りM3のオーナーとなった。
彼と再開した半年前、まさか自分がこんなことになるとは本当に夢にも思わなかった。
この日鍵をもらうまではまさに全てが夢のようだった。
鍵を受け取りM3のエンジンをかけた瞬間、この3ヶ月が走馬灯の様に蘇ったのは今でも鮮明に覚えている。
俺はやったのだ。
バックミラーを覗いた俺の顔はまさに「ドヤ顔」だった。
購入記念に行った箱根にて。
これは自分自身が22歳の時に実際に経験した話です。
俺自身はその年の4月に内定を頂いていた、大手一部上場企業に就職しました。
Makotoからはこれからも一緒に仕事をしないかと誘われていましたが、
俺自身こんな体験をした後は尚さら「企業」というものに勤めて見たいと思い、就職の道を選びました。
・目の前の仕事をどう効率的に終わらせるか?
・今自分がしている仕事が会社にとってどのようなポジションなのか?
といったように仕事を客観的に見ることが出来る視点が付き、就職後の仕事に大いに役立っています。
Makotoと再開してから半年間の経験は僕の人生にとってとても大きな財産となっています。
それまで「タイミング」や「縁」といったものはほとんど信じた事がなかったのですが、
Makotoがしょっちゅう言っていた、
「チャンスとは成功を掴む準備が出来ている人だけにやってくる」
今はJUNちゃんにチャンスが来ているんだと。
「出会いとは、偶然
偶然は、必然
そして必然は、運命」
高校の同級生となったことは偶然かもしれないが、こうして再開した事は必然であり運命なんだと。
その言葉の意味がこうして月日が経った今、俺なりにわかるようになりました。
Makotoとは現在も最も仲の良い友達として繋がりがあります。
この話は「STORYS.JP」というサービスをご紹介頂き、2人で相談して書いてみようということになりました。
2人で当時の記録を全て掘り起こし、細かく話しながらJUNの言葉をMakotoが文字に起こしたものです。
人生こんな経験もあるんだと思って頂ければ幸いです。
ありがとうございました。
※感想など気軽にFacebookにもメッセージお待ちしております^^