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13/8/21

うわさの女の子~ひでお物語~

Image by Olia Gozha

遠い記憶をたよりに書き綴る ひでおの自分史は いつも甘酸っぱい。 そういう感じだから覚えているのかもしれない。


小学校6年の時にそれは起こった。

クラスの女子全員から男子全員にバレンタインデーに

チョコレートをこっそりと机の中にしこんであったのだった。

そのときは女子が「ちょっと男子外に出ててよ」 と注文をつけてたので、

なにやらを予感していたのだけどもね。

まあ、 みんなにあげているのだから、 なんだというわけではない。

でも、 その顛末の数日前にひでおはある女の子とうわさになっていた。

名前はゆみちゃん。


今思い出しても、 なぜそんなうわさになったのかもよくわからない。

学校を一日休んで、 次の日にきたらなんかそうなっていた。

周りから冷やかされて、 なんかそうなっていた。

とくにそのころ、 ゆみちゃんが好きだったわけではなかった、気がする。

が、 子どもは単純だ。 だんだん好きな気がしてきた。

変なもんだ。

だからチョコレートもゆみちゃんからなのかな なんて少し期待していたりして、周りの女子たちも冷かしてたりして・・・


でも、 ゆみちゃんはひでおのことが嫌いだった。

思い切り避けられていた。

話もしないし、 近づきもしないのだ。

それが逆にこっちから近寄りたい衝動にかられる元だったのかもしれない。


そんなゆみちゃんともお別れのときがきた。

ゆみちゃんは中学からは別のところに行くという話だった。

なんだかさみしくなったのかしらないけども、 ひでおは手紙を書いた。

手紙を書いて、ゆみちゃんちまでもっていった。 友だちとふたりで。

家の手前でもじもじしていた。

いったりきたりして、 友だちに背中を押されたりして、 で、 しょうがないから、

家の前を通り過ぎる感じで、ドアの前に手紙を投げ込んだ。

そしたらそこにゆみちゃんがいた。

しかも、 家の前で焚き火をしていた。

びっくりして逃げていく横目でみたのは、 その焚き火のなかに燃えていく手紙だった。

そんな気がした。


その後、 ゆみちゃんとはずっと会わない時間がすぎたけども、 高校が一緒になった。

けどもやっぱり疎遠だった。

高校生になったゆみちゃんはとくにかわいいというわけではなかった。

どしてこんなコが好きだったのかなぁ~

ほんとに好きだったのかな~

いつもそうかもしれないのだった。


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