まるで漫画やドラマのようじゃないか
私は君のことがずっと前もこれからも好きだったんだ。
君と会ったのは小学生の頃。君は目が大きくて元気いっぱいで野球少年でそんでもって優しかった
小学生の時なんて全然覚えてないけど、一つ覚えてるのは、知らない人に誘拐じみたことされた時、君は勇敢にその人に立ち向かって私を守ってくれた。君は優しくてなにより頼りになった。
中学生になってちゃんとお付き合いって形をしてたけど、喧嘩も多くなって別れては付き合っての繰り返し。
いつしか私はそのループから抜け出したくなった
だから別れて違う人とお付き合いした。
君は私の友達といい感じになってたね。
そして高校生になって私たちはとうとう離れ離れになった。
もう君がどうしてるか、誰と付き合ってるのかすら気にならなくなるくらい、私は高校生活を満喫してたと思う。
入学して3ヶ月くらい経って、ふと、君がどうしてるのか気になったりして。そうして考えていると、まるでテレパシーかのように君に伝わって連絡が来るんだ
元気?俺は元気にやってるよ。
私の気持ち見透かされてるのかな?そんなふうに思った
もちろんなんで連絡してきたかは本人にしかわからないし、当時彼女がいたかもしれない。私は聞かなかったから当時の君のことあまり知らなかったんだ。
結局連絡してもそれが進展することなんてなくて、そうやって高校生活は3ヶ月おきくらいで君から連絡が来るだけだった。タイミング良くね。
私は部活を引退して、今度は人肌が恋しくなって、そんな時も君のことを思い出した
もちろんタイミング良く君から連絡が来た。
引退試合見に来てっ
て君は私の気も知らないで、そうやって日を置いて連絡をしてくるんだ。
部活も引退したから時間もできて、少しだけ会うようになった。でも少しだけね。
でもそれも長くは続かなくて、彼は働く道を、私は大学へ行った。
大学一年生の時、彼氏がいたんだけど、案の定また君から連絡が来た
元気?大学はどう?楽しい?
そんなこと聞くのは君は楽しくないのかな?何かあったのかな?
後で聞いたら彼女とうまくいってないと聞かされた
なんだ、彼女いるじゃん。どーせすぐ仲直りするでしょ。普通元カノに縋らないだろ。
男の人ってそういう女心はわからないみたい。
私多分まだ君のこと好きだよ。だからそんな話聞かせないでよ。そこは気を遣えよってね。
そんな話を聞かされたら、私は
別れちゃいなよ
っていうに決まってるじゃん。なんて言われたかったの?
君は結局その子と別れた。
私と会う頻度が増えて、私も彼氏と別れて君に歩み寄り始めた。
私は高校生の時のようにもう意地を張るのはやめようと思った。
君のことが好きだから次こそはうまくやりたい
そう思ってた。
けどやっぱり、いろんなこと考えて君とやり直すのが怖くて、次失敗したらほんとに終わりなんじゃないかって。
何もやってみなきゃわからないのにね。預言者でもないのに何臆病になってるんだか。今更思うよ
君とやり直そうかなと決めた時、君からLINEが来た
ごめん、おれ元カノとより戻すことになった。ごめんね。
え?どういうこと?夢?なんだこれは。今日は4月1日?違うよな。元カノ?私のこと?私のことなら謝らないよね?どういうこと?
思考が停止ってまさにこの時だった
よくわからなかった。並行して誰かがいたなんて思いもしなかった。
あー、君はそういうことできちゃうんだ
私が思いすぎなんだ。もっと早くに切っていれば、もっと早くに連絡やめてれば、もっと早くに君を傷つけて突き放していれば
自分自身のこと守れたのに
私相当好きだったみたい。
この時は命を諦めることしか考えていなかった
そんなことで捨てれるものでもないのにわたしは、、、
私はまた、大好きな人を手に入れることができなかった
人を好きになって裏切られるくらいなら、そんなふうに思うのはやめよう。叶わないんだから
そして成人式の日
もちろん地元が同じだから集まりに来ていた
私はあの時君に
もう君との過去は全て捨てます。何事もなかったように暮らします。君とは知り合わなかった。そこらへんですれ違う人となんら変わらない。呼吸と同じように君とすれ違ってもそのまま過ぎ去ります。もう目も合わすこともありません。君も忘れてください。私たちがお互いのこと忘れれば、私たちのことを覚えてる人はこの世からいなくなる。しっかり過去が無かったことになる。君との過去はないのと同じ。もう私に連絡しないで、目も合わせないで。私はもうあなたのことは知りません。なにも。
そう言って君を消し去った。
それなのに君は成人式で久しぶりの人に会っては笑い話をして、傷ついてる感じはなくて彼女とうまくやってそうに見えた。
なんだ、私ってほんとにただの暇つぶしだったんじゃん。ていうかむしろ私の方が無かったことにされてるじゃん。都合いいなほんと
そして君はあの子とすぐ別れた
え?なんで別れたの?なら最初から付き合わないで私を選べば良かったじゃん
君もそう言ってたね。私が良かったなんて。
私はあの時君からの連絡を途絶えたから、君が別れようが君に新しい人ができようが私の耳に入ることはなかった。
そして私は大学3年生を迎えた。
夏が終わる頃電車でバイトまで。
いつもと同じ車両、いつもと同じ時間、いつもと同じ場所に乗った
好きな音楽を聴きながら
携帯をいじってたらいきなり画面を誰かの手が覆い被さった
誰やねん、見えへんわ
そう思って顔を上げたら息が止まった
君だったんだ
私は手が震えた
もう本当に会えないと思っていたから
呼吸するようにとか言っといて、しっかり君をみて話してしまった
久しぶり。元気?
君はいつもそう。元気?ってんなわけあるか!でも私は答えた
元気。久しぶりだね、、、
君は私の反応を見ていつもいつもずるいことを言う
また、連絡してもいい?
やだなんて言えるわけないのわかってるから、君は卑怯なんだ
私はブロックも全て解除した
君からの連絡を待ってしまっていたんだ
そして連絡してあったりして、でも私頑固だから、意地っ張りだから君の思いどうりにならないぞって反発心持って接して
そして君は知らない子と結婚した
私は1番好きだった人を、1番信頼してた人を、私のことずっと大切にしてくれた人を疎かにした
後から幼馴染に聞いたんだけど、私のこと忘れるために、他の人と付き合ったりして、だけど私だったらってその子と私を比べてよく喧嘩してたみたい。
弱くなった時に連絡する相手は、本当に好きな相手だったみたい
私に連絡する時いつも君はうかない顔をしてた
私なら君のこと毎日笑わせてあげれたのに
いつもこういうことは失ってから知る
失ってから気づく
私は君のことずっと好きで愛してた
愛しすぎて君を突き放しちゃったみたい
人生は思うように行かない
私はもう彼以上の人を見つけられないかもしれない
もう、恋なんてしない
私はこの時そう誓ったんだ
君以外と結ばれたって恋じゃない
それくらい好きだったんだ
私は世界で1番愛してる人を愛しきれなかった