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人生の醍醐味 266 大木

Image by Olia Gozha

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広い庭園の中なので、 大木の根元にあるベンチに座り、瞑想の真似事をしてみる。


亜熱帯雨林の中に、一人でいるような気分を十分味わえる。


数種類の小鳥の声が、励ましてくれているように思える森の中。


「一人なのだ。」と言う、現実を受け入れたつもりであるが、 脆弱な心は、あっさりぐらついてしまいがちだ。


強がりのフリをしていても、大自然の中で深呼吸をしていると、自分の弱さを痛切に感じてしまう。


状況は変えられない。 自分の管轄下にあるのは、自分の心だけだ。 自分が自分を励ましながら前進あるのみ。


考え方次第では、私は「大変幸運な者だ。」とも、言える。 実際、食事に困らず 屋根のある場所でぐっすり眠れる。


現に小旅行さえ楽しみ、豪華なホテルに自腹で10日間も滞在しても、 破産するほど苦しくはない。 


長年、仕事の関係で、世界中の豪華なホテルに滞在、企業か政府が支払ってくれていた。 


目の前の大木が話しかけてきた。 「健康であるだけでも、儲け物。 そちのような輩が、不満を持つとは不届き者であるぞ。」


「ははー 仰せの通りでございまする。 まだまだ、人間の器が小さく、 修行不足でござりまする。」と、私は心の中で平伏した。


まだ、この地上での生活が許されているのは、 「もう少し人間修行を積み重ね続けよ。」と言う、大自然からのお告げであったのだ。


大自然との対話で、すっかり単純な私はご機嫌な気分になり、 そろそろ、あの美味しい日本食の朝食を食べる事にした。


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