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人生の醍醐味 209 人生の辛苦

Image by Olia Gozha

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ホノルルに住んでいれば、当然ハワイ生まれの人に良く出会う。 日系人でも、 米国生まれのため、言語は英語の場合が多い。


第二次世界大戦の影響もあり、両親や祖父母が、

米国生まれの子供に、日本語を意識的に教えなかった場合が多い。


「ハワイ生まれの立場から見て、日本人がどんどんホノルルに遊びに来た方が良いと思いますか。」と、たまたま我がコンド近くにできたバーで偶然であった、日系アメリカ人に質問してみた。


「ええ、 もちろん どんどん来てほしい。」と目を輝かせる若い青年。


「日本人には道徳がある。 地元の人々は道徳心が少なく、機会があれば悪い事にすぐ手を出してしまう。」と、彼は続けた。


ホノルルのように、 異文化、異人種が混在しているところでは、親も教師も、子供の教育に四苦八苦している可能性が多い。


日本の場合は90パーセント以上同一民族で、同一言語であるから、物事の良し悪しを子供時代から叩き込むのも、ホノルルの場合よりは簡単なのだろう。


であるが、日本に育った私は、 否応無く日本の弱点も十分目撃している。 足のひっぱり合い、自分の子供への愛に目が眩み、他者の子供は平気で邪険に扱う人々も多い。 


短い期間であるが、 既にホノルルでは離婚が多発中である事も目撃した。


彼はそのバーのマネージャーと来月結婚するそうだ。  バーのマネージャーは、仕事の関係で帰宅時間は午前様になる。


彼はもともと空軍のパイロットであったが、 73歳になる母親が病気になり、仕事を辞めて、母親の看護中だとの事。


父上は10年以上前、膵臓癌で亡くなり、 彼の3歳年上の兄さんは、船で海釣りに出て、運悪く船が転覆、事故死した。


明るい陽気な若い青年であるが、人生の辛苦は間違いなく彼をも襲ったのだ。


幸運な事に、素晴らしい自然に囲まれたホノルルであるが、 人間界の問題は、米国の東海岸も、日本も、太平洋のど真ん中にあるハワイも、さして違わないのかも知れない。


ホノルルに来てまだ三年ちょっとの人間なので、これから、じっくり「終の住処」と、決めたホノルルを深く知る努力を続けてみたい。






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