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人生の醍醐味 206 グリーンカード

Image by Olia Gozha

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米国では外国人で米国に来たい人のために、グリーンカード取得用抽選会を開く。


何回もチャレンジしても当選しない人もいるが、 1、2回の挑戦で見事に当選する人もいる。


当選しても、 稀に気が変わり、米国行きを断念する人もいるが、 米国へ移民するのが難しい時代だけに、抽選に受かれば、勇んで米国に移住する人も多い。


手足の爪の手入れと、マニキュアをお願いした日本女性は、 「まぐれで、抽選にあたり、ハワイでネールアーチストとして生活している。」と話していた。


その仕事は自由業で、 割と曜日や時間帯を選べるが、正規の社員と違って、 医療保険もないし、退職金制度にも属していない。


コビッド19が蔓延する前は、多くの日本からの旅行客を扱っているホテルで、案内役の仕事もしていたそうだ。 二つの仕事の掛け持ちだ。


ホテルの仕事は正社員だったので、医療保険、退職金制度もあり、充実した生活をしていたが、 コビッドでホテルの仕事は閑古鳥。


それでも、運良く、ホテル業務の解雇だけは免れ、 医療保険などが生きている。


ネイルアーチストの仕事は、夜中の12時まで店が開いていて、職員はある程度自分で働く時間を決められる。


私がたまたま利用したネイルサロンは、日本人職員が5人いて、どの時間帯にも、少なくても一人は日本語が話せる人を常駐させる予定を組むそうだ。


50代半ばのそのネイルアーチストは、子供がいないそうだ。 近い将来、親の老後の世話と言う問題も抱えているし、 自分の老後を、「米国でするのか日本に帰るのか」の問題も、考慮中だと言う。


健康であれば、米国生活続行も、彼女の場合仕事もあるので、問題はないが、 一度運悪く大病に冒された場合、経済的破産も現実味を帯びてしまう。 


自国を出て、外国で長期間働いた事があるその方は、普通の日本人ができない貴重な経験をしている。


ただ、ホノルルに住んでいる限り、しかも日本人客ばかり相手にしている限り、英語力の伸びは限られてしまう。 


でも、私のように、米国の本土生活の長い人間には、ホノルルで日本語を話す方に世話してもらえるのは嬉しい。 


それは決して言語だけではなく、 日本生まれの方が持っている、日本的な人の扱い方などが貴重に感じられるからだ。



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