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人生の醍醐味 191再教育

Image by Olia Gozha

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人は何度も自己を再教育する必要がある。

変転流転する世界に身を投げかけている人間は、状況の変化に自分を合わせてゆく必要がある。


周りの人間も、目に見えて変化してゆくように、

流れに自然に乗っていると、自分も知らぬ間に変化してゆく。


ではあるが、何時の間にか、これこそが正しいと自己流に解釈してしまい、やり方、行動様式、考え方が固まってしまったのを、 本人が気付かない時もある。


そのためにも、「意識的に自分を再教育しよう」と、目標を立てる事も、人生の醍醐味かも知れない。


引越しなどで、 新しい土地での新生活開始は、自己再教育の良い機会だ。


1970年に初めて渡米、6年間カリフォルニア州サンディエゴで、核家族生活を味わった。


6年ぶりに、日本に家族共々引越し、6年間西洋文化を身に浸透させすぎていた私は、祖父母の国でもあり、私が生まれ育った国でもある、東洋に位置する日本に対して、 新鮮な目で歴史、文化、価値観などを、仕事と家庭生活を両立させながら、興味深く自分を再教育した。


渋谷で偶然永平寺分院を見つけ、 一般市民用座禅教室に生まれて初めて参加してみた。 生まれてから27年間生活していた日本であったが、自分の無知さ加減を痛感した。


父方の佐藤家のお寺が、曹洞宗系である事を調べて知った。 福井県にある 大本山永平寺にも、 娘と共に訪れて、 ほとんど一日ゆっくり、お寺の本堂、修行道場、お坊様用の台所や、お庭を見て回った。


上野にあった、裏千家の茶道初心者向け教室にも、毎週出席した。  娘も同行、6、7、8才だった娘は、茶道のお師匠さんから、綺麗な茶道用お菓子を頂いたので、喜んで私について来てくれた。


日本生活の4年間は、またたくまに過ぎ、我々は米国の東海岸にある、首都近郊での生活を35年程続けた。  


偶然、 ホノルルに3年半前に越してきて、35年と言う長期に渡り、西洋文化の中にどっぷりと浸かっていた私は、再度、アジアにある日本について、自分を再教育する必要を痛感している。


「西洋か東洋」と、言う二者択一などすべきではないと今は思う。 自然界は多様性を重んじているが、 元来人間界も、多様性を重視すべきだと思うようになった。


人生最後の第四幕を、十二分に演じ切るためにも、あの優しかった祖父母と、15年近く同じ屋根の下で過ごした思い出がいっぱい詰まった自分のためにも 日本に対して、 はたまたアジア全体に対して、 私は自分自身を再教育してみようと思う。



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