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13/8/6

原体験から学ぶ、大人と子どもの"共育"について

Image by Olia Gozha

【原体験から学ぶ、大人と子どもの"共育"について】

〜火、水、木、土、動物、草、暗闇を通して「生きる力」の育む

背景

本業の会社のメンバーから無理言って約1週間の休みをもらい、

研修名目で「海の教室事業」に水泳指導員として参加してきました。

私事でありますが、7月中はなかなか仕事が捗らず、

頭を抱える毎日が続いていたため、リフレッシュも兼ねた事業体験でした。

毎日行き詰まりを感じていた頃、

「自然の中にでも行ってみたら?」と仲間が一声かけてくれ、

ちょうどその時にご紹介いただいたのが今回の水泳指導員のお話でした。

結果

青く透き通った海と豊かな自然、元気な子ども達に囲まれて過ごした日々は

僕に予想以上に大きな「学び」と「エネルギー」を与えてくれました。

チームが出来上がっていく過程を体験

それぞれの立場の人が子どもの成長のために

悩み、ぶつかり、語り合い、そしてチームになっていく。

「ほぼ初対面の人たちがどのようにして課題を共有し、協力し合って解決策を講じていくのか」

理論だけでは到底理解できなかった過程をこの身を以て実感しながら

今の立場で学ぶことが出来たのは、大変に価値があったと思います。

人の相談を受けると「今の自分」が見えてくる

また、他の水泳指導員のほとんどが学生さんで、僕一人だけ社会人

という状況からか、キャリアの相談から人間関係の悩みまで

個人的にたくさんの相談をしていただきました。

「僕も人に色々と相談されるような人間になれてきているんだな〜」なんて

幾ばくかの自らの成長に感慨に耽っていました。


それにしても人に相談されるというのは、実に勉強になります。

なぜかというと、相談者の悩みをひも解いていく過程で、

自分の過去や現在の状況振り返り、相談者の状況と重ね合わせることで、

自分を客観視することが出来るようになるからです。

人の悩みを理解するためには、

表出している「悩み」「不満」といった氷山の一角から

水に浸かっている「問題」「原因」といった氷山の根本までを

ヒアリングを通して整理していかなければなりません。

それはそれは頭を使う大変な作業です。

しかし、その全てに共通しているのは「答えは相手の中にある」ということです。

どうしても僕らは相手を思うばかりに、

相談を受ける時「アドバイス」をしがちです。


ですが、悩み相談のときはアドバイスよりも相談者がもっている答えの

「確からしさ」を検証してやることの方が重要な気がします。

結局、そのあとアクションするのは誰なのか?

それを考えると、悩みの主体である本人に選択・決断してもらわないと

その相談が無駄になってしまう可能性が高いことがわかると思います。

だから僕は、あくまで考えるためのヒントになる

不完全な情報」と「問い」だけを与えるように注意しました。

結果、相談に来た5人の学生さんたちは皆、心のモヤモヤが晴れた様子で

すっきりとした面持ちをしていました。

僕はものすごく斬新なアイデアを提案した訳ではなく、

至極当たり前なことを一緒に整理していっただけなのですが、

それが以外とクリティカルだったりするのだなぁと改めて学んだ良い経験でした。


総括

究極の「教える」は「教えないこと」

さて、タイトルにもありますが、

僕は日頃から「教育」やら「学び」「成長」というものに関心を持っています。


僕なりの教育理念として

“究極の「教える」は「教えないこと」”というものがあります。

人が己の成長の為に「学ぶ」とき

最も大切なのは、「自分なりに理解し、自分なりに使いこなせるかどうか」です。

それには、主体が学習者本人になければならないのです。

「学ぶ」というのは、主題が学習者にあります。

一方で「教える」というのは、主体が指導者にあります。

「学ぶこと」と「教えること」は実は対立関係にあるのです

教え込むことは同時に「学ぶ機会」を奪っているといっても良いでしょう。


”学ぶ環境を設定し、<気づき>の罠をしかけて待つ”

そのくらいの強かさをもって学びを作っていかなければ、

大抵僕らは「教え込みがち」になっていまします。

まずは「やってみる」ことが大事

体験を通した学びは教えないからこそ、

また、悩み、ぶち当たるからこそ

「自分のオリジナル」になっていきます。

教科書もビジネス書も専門書も持たず

まずは誰かの真似でもいいから

やってみる」ことが大切なのではないでしょうか。

僕らがモノゴトを理解できなかったり、習得できなかったりするのは

意外とこの「やってみる」経験が不足しているからなのです。


体感するから得られる感覚と情報の「つながり」


はじめて二人乗りのシーカヤックに乗り、ぎこちなくパドルを漕いでいた子ども達がいつの間にかスイスイと水面を進んでいた。

その様子を見て、僕は思いました。

彼らがこの体験の中で得られた感覚はきっと

「水にはこのくらいの角度でパドルを入れると良い」といったものだけではない。

そこでは

こども「船はなぜ水に浮くんだろう?」

こども「海の水はどうして青いんだろう?」

こども「風を切ると気持ちいいな〜!耳元で風を切る音がするな〜!」

こども「魚が光ってきれいだな〜!眩しいな!」

こども「水って、重いな!!」

といった様々な疑問や感動を味わっていたはずなのです。

もしかすると、体験をなくしても彼らはこのような疑問を抱いたかもしれません。

しかし、もし体験が無ければ、これらの感動や疑問に有機的な「つながり」

見出すことは出来なかったでしょう。


また同じことを「教えられた」として、彼らはそれを学び取ることを

どれだけ”楽しい”と感じ、主体的に取り組めるのでしょうか。

きっと与えられる状況で主体的に楽しむことは難しいはずです。

与えられないからこそ、必死で手に入れようとする


僕ら人間が本来持ち合わせている本能を

現代に生きる我々は「与えられ慣れ」してしまったために

忘れかけているのかもしれません。


原体験ができる場を通して、若者と子ども達が共に育っていくような、

そんな未来を僕は作りたいです。

与えられるのを待つのではなく、取りにいける人が増えたら

この世の中はもっと面白くなるような気がします。


謝辞

最後になりましたが、運営に携わっていただいた関係者のみなさま

新しく出会った素敵な仲間達にも心から感謝したいです。

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