top of page

人生の醍醐味  143

Image by Olia Gozha

143



人間はスポンジのようだ。 五感を駆使して多種多様な情報を、身体の中に吸い込む。


21世紀の日本に生まれれば、 その時の雰囲気、感性、理屈などが、体内に吸い込まれる。


意地を張って、それに抵抗する人もいるし、 率直に全てを丸ごと受け入れてしまう人も多い。


「自分は独特だ」と、踏ん張ってみても、 本人が気づかないだけで、人間は環境の影響を避けられない。  


もちろん、全ての動物も然り。  ただ、人間には自意識があり、 脳細胞をフル回転して、考えすぎる傾向は避けられない。


私は日本で生まれた。  27年間は常に日本で生活していて、 海外に移住するなどという考えは皆無だった。 学校の先輩、同級生や下級生同様、当然、「一生日本で暮らす」と、思っていた。


運命の風に背を押され、 合計40年以上アメリカ生活を楽しんだ。 運良く、良くできたアメリカ人の夫に恵まれ、 離婚する事も無く、 それぞれの分野で夫も私も働き、何とか中流層に属していた。


大人になってからの大半である40年を米国で過ごせば、 本人の意志に関係なく、 米国と言う環境に私も自然に染まっていった。  


日本から米国へ移住したばかりの頃は、文化、価値観の違いに戸惑い、 米国に住んでいながら、日本の価値観を振り回し、 「米国人の夫を辟易させた事も多かった。」と、思う。


生まれ育った時に身につけた、自国の価値観はそう易々と、一人の人間から消し去る事は不可能だ。


また、本人は抵抗を続けているつもりでも、長年移住先の国に住んでいるうちに、スポンジのように、その国の価値観、習慣、考え方等が染み込んでいった。


ホノルルは日系人や日本人も大勢住んでいる場所だけに、 私の心の奥に眠り始めていた日本的考え方が、徐々に表面に浮かび上がって来そうな雰囲気だ。



←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page