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人生の醍醐味  140

Image by Olia Gozha

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ピアノの練習と、訳が分からなかったが、ユーチューブで、「初心者用合成生物学入門(synthetic biology)」を聞いてから、外出しようと決めた。


外に出ると、空はねずみ色、路面が濡れていた。 そう、小雨が降っていたのだ。


帽子を傘がわりに見立て、予定を変更せず、 近くのバス停からバスに乗り、 二つ目で降りた。 (アパート住まいの頃の話)


ホールフードの二階に陣取った頃は、雨が止んでいた。 初めは太陽が雲間に隠れていたが、 読書に夢中になり、疲れを感じ目を上げると、再度見事な青空が広がっていた。 海風が優しく皮膚を撫でて行く。


今日の予定を携帯電話で調べ、ハワイで英会話のミート アップに参加して見る事にした。  


一日中、一人でのんびり過ごした後、グループに飛ぶ込んで、他者と話すのは、 私の精神衛生上良いだろう。


昨日は、日本語のグループ、今日の夕方は英会話グループに参加予定だ。


生まれて初めて、本当の退職者生活が始まったばかりで、この方面の初心者だけに、 日々の過ごし方に関しても、試行錯誤の繰り返しがしばらく続くだろうと思う。


76歳で、自分の退職者生活を心底認めた事になる。  政府は65歳を社会保障制度の角度からは 、本式退職者と見なすが、健康に恵まれた為か、 自由業に過ぎないが、細々とにせよ、仕事を続けた。  また 仕事を続けたい気持ちが強かったためもあり、 英語力を強める努力も継続した。 


現代は便利な時代で、学びたければ、ユーチューブで簡単に何処ででも学べる。


とは言え、体力の限界を否応もなく感じはじめ、これからが、人生最後の大冒険時代に突入した事を、遅まきながら覚った。


その準備のために、わざわざホノルルに越して来たのだ。  一人でのんびり、されど、しっかり自分の最後を優しく見守るのだ。 


自分のために、私が一番の友人にならねばならぬ。  看護師役もしっかり演じなければならない。金銭的管理も怠ってはならない。  


元気な間は、他の人とも、会話を楽しむ時間を意識的に作り出す工夫も大切だ。 その意味で、全体の総監督役も演じねなならない。


古今東西、時代を超え、世界中の高齢者が多かれ少なかれ感じた気持だろう。  


小学、中学時代、祖父母と同居、身近に見て来たが、 あくまで子供の目であり、しかも、祖父母の外部だけを見ていたので、 祖父母の心の内面は想像さえできなかった。 


私が良く覚えている祖父母の年齢に突入、 いささか慌て気味に、自分の老後と直面している。


自分が自分の応援団長も務めねばなるまい。


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