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現代は、ストレスに押し潰される人々が増えている。 環境、体、心、社会的要因など、ストレスの原因も多種多様だ。
エリサ エペル(Elissa Epel)精神科医の講演をユーチューブで聞いた。
外部から、刺激を受けた時に生じる緊張状態を、ストレスと言うが、多かれ少なかれ、ほとんどの人がストレスを人生の過程で経験する。
エペル博士によると、細胞に付随して細胞を保護しているテロメア(telomere)が、ストレスを受け続けると、短くなることを実験で証明している。テロメアの無くなった細胞は崩壊し易いのだ。
テロメアは人の命の長さに密接に関係がある。 胎児が母胎内にいる間に、その母親が強いストレスにさらされると、胎児のテロメアにも悪い影響を与えるようだ。
子供時代に、片親などの病死で、成長過程でストレスにさらされ続けた場合も、その子のテロメアを短くしてしまう可能性大だ。
学校時代、いじめにあえば、その子は強烈なストレスにさらされてしまうのだ。 学業成績が悪くても、 級友から馬鹿にされ、多大なストレスを受けてしまう。
成人し、社会的に独立した後も、他者との比較でストレスを受けたり、会社の上役から同僚の前で口汚く罵られた場合、 当然、その人は激しいストレスを受けてしまう。
ましてや、会社が合併したため、やむなく失業者に転落する場合も、当然、強いストレスにさらされる。
相手側が言い出して、離婚に至る場合も、強いストレスから逃れられない。
運、不運はあるが、誰でもこの地上に生きている限り、多少のストレスを感じるに違いない。
最新、話題になっているマインドフルネスが、人間に押し寄せるストレスと、上手く付き合う手法を示唆しているようだ。
マインドフルネスは、ある意味で、自分の心の状態を、客観的に冷静に観察する事でもある。
インド、中国を経て日本にも伝わった瞑想法が一方にある。 また、チベット国の第14代ダライ・ラマ法王から、西洋の若者達が伝授を受けて、西洋化したマインドフルネスも、一種の瞑想法である。
ストレスを軽減するために、マインドフルネスが有効であることを、 西洋は科学的に、多くの西洋の学者が論文などを発表、教育界や病気の治療に実践されている。
人間はうわの空的気持ちで過ごしている場合が多いが、 マインドフルネスの訓練を重ねることで、 今現在の自分の状況に、心を集中することが可能で、そうする事により、ストレス状態を緩和し、テロメアが短くなりすぎる事を防いで、命を長引かせることも可能なのだ。
福井県にある曹洞宗の総本山でも、 僧侶の修行で瞑想をふんだんに取り入れている。
私のテロメアの長さ維持のためにも、 日々自己流にせよ瞑想を取り入れて、残されたこの地上での時間を有効に過ごしたい。


