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人生の醍醐味  129

Image by Olia Gozha

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毎週水曜日はラジオ体操の日だ。 と言っても、最近まで、サボり続けていた。  あるきっかけで、夜型から朝型に自分を強制変更したお陰で、ラジオ体操グループに、再び参加できるようになって、 二週間が過ぎた。


体操中、たまたま通りがかった人も参加した。日系の人で、ラジオ体操の音楽で足を止めて、海辺の朝8時の気持ちよさに誘われたのか、Nさんも「参加したい」と、気持ちが動いたようだ。


ラジオ体操に引き続いて、 初歩的フラダンスも始まった。 参加した女性は、フラダンス用スカートをはいて踊った。  私も、二度目の参加で、数日前に購入したばかりのフラダンス用スカートをはいた。


全てが終わり、新人の紹介があった。  アメリカ本土から、一週間ほどの休暇で、ホノルルを訪問中との事。  しかも、以前30年以上ホノルル在住だったと言う。  


娘さんがニューヨークの大学を卒業、金融界で就職、結婚後ハワイに住んでいた母親であるNさん、夫婦共稼ぎの若夫婦を助け、孫の世話を引き受けたのだ。  


二人の孫も小学生、中学生に成長、子守りは要らないと娘夫婦から邪険に扱われるようになり、引っ越す羽目になった。


Nさんとしては、留守宅を守り、孫の世話を真剣にしたので、 当然、今後も大切に扱ってもらえると夢想していたが、 現実は厳しく、血の繋がった母娘でありながらも、家庭内のいざこざが増えて、 生活の場を変えざるを得なかった。


納得のいかないNさんは、悩み抜いて暗い気持ちになった。 自殺を考えるほど落ち込んでしまったのだ。


Nさんは離婚の経験がある。  娘さんがまだ14歳の時に、娘さんの父親と離婚した。  経済的に成功していた人らしく、離婚後もNさんは生活に困らなかった。  


偶然の出会いで、 再婚、娘さんは義理の父親と母親と暮らす。 数年後、母親は再度離婚した。


大学の学費も出せるほど、裕福な生活であったが、 多分、母親の二度に及ぶ離婚は、娘さんの心に大きな影響を与えたと思う。


私とNさんは初対面であったが、 ラジオ体操とフラダンス終了後も、お茶を飲みながら長々と話し合った。  


昼食時になったので、私の好きなレストランに案内、日本食を一緒に楽しんだ。  


昨年の10月に入居したばかりの新築コンドも見ていただいた。  ついでに我がスタジオ内で冷えた麦茶を味わいながら人生論を交わした。


偶然、翌日は私が開いている無料英会話教室の日なので、参加をすすめた。  Nさんのハワイ時代は長かったが、日系企業で働き、お客様は日本人だったので、英語をほとんで必要としなかったのだ。


「英語を学びたい」とNさん。 一人でいると暗くなりがちなN さんなので、 クラスの他の生徒(大人の日系女性)に会うのも気分転換になると思った。



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