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情緒、感情を上手に制御する力(Emotional Intelligence )と言う概念もある。脳の研究が進み、人間が本来持っている情緒、感情の上手な取り扱い方の重要さが指摘されている。
ハーバード大学のゴールマン博士(Prof.
Goleman)や、イェール大学のブラッケット博士(Prof. Brackett)、その他、大勢の専門家がEQ(情緒、感情指数)の研究に力を注ぎ、書物をあらわし、ユーチューブなどで講演しているのを聞く事ができる。
鏡脳細胞(Mirror Neuron )は、我々の頭脳内に存在し、他者の行動、感情など、鏡のように本能的に真似る傾向があり、この鏡脳細胞も、人間の感情に大きく影響を与える。
21世紀は知能指数の高さばかりではなく、対人関係をスムーズにできる能力や、必要に応じて自分の感情を制御する力も求められる。
自分の心の中が、現在どのようであるか、例えば、「むしゃくしゃしている」、「悲しく沈んでいる」、「悲観的で何もする気にならない」、「怒り心頭にきていて身体が破裂しそうだ」、「幸せで思わず鼻歌を歌ってしまう。」といった、自分の中で起こっている感情を、客観的に認める事も重要である。
インドで始まり、中国を通って、日本にも伝わった座禅の重要さが、西洋の心理学、脳科学等の研究が進むにつれ、再確認されている時代だ。
このような研究結果こそ、東西文明の接点になり、両者の理解が深まるきっかけの一つになるかもしれない。
鎌倉時代、禅宗の一派である曹洞宗を起こした道元禅師も、座禅修行に力を注いでいた。
自分の心をどのように観察して、如何に上手に制御していくかを、修練していく事の大切さに、現代の科学も注目し始めた。
21世紀のアメリカでは、多種多様な瞑想が流行っている。 古代インドで始まったヨガも、若い世代の間でどんどん広まっている。
米国の公立、私立の小、中学校でも、EQについて生徒達が学び、日々の学校生活で活かして行ける訓練が始まっている。
私も、時代の流れに乗り、恵まれたホノルルの大自然のもとで、 散策を楽しみ、木陰で休みながら、自己流の瞑想を楽しみ、心を平安に保つ努力に余念がない。