123
ホノルルに来て約3年が過ぎた。 早いものだ。
一年目は、闇雲にバックパックを背負って、ホノルルを歩き回った。 土地勘を磨くためだ。
バスをも乗り回した。 路線に親しむためだ。数種類のミートアップにも、何度も、首を突っ込んだ( COVID-19 の前)。 多種類の人間様に出会うためだ。
日本の 朗読文学を、ユーチューブで聴き始めた。
夏目漱石の「吾輩は猫である」は、 実際、私は書籍で読んだことがない事に気がついた。
国語の教科書で、ほんのすこし部分読みしたのみであった。
始めに、新聞紙上で発表したのであろう。 1、2、3と番号がふってある。 私が勝手に想像していたより、とても長くて面白い。
朗読を、買いたての小型スピーカーで、聴いている。
8月も、後1週間ほどで終わるが、「エアコンの無い部屋では過ごせない」と、勝手に想像していたが、開け放たれた窓から、海風が部屋を訪れてくれるので、割と涼しい。
たまには、 部屋にこもり、朗読文学を楽しむ事にも、新鮮味があった。
窓を開け、天井の扇風機を回せば、何とか過ごせるようだ。 潮風が、部屋を充満、深呼吸。
自然死の覚悟を決めている手前、自分の部屋でせいぜい過ごす位で、特に治療を受けようとは思わない。
毎日、誰に気兼ねすることも無く、読書三昧が楽しめる有り難さ。
今まで、割と健康であった事に感謝あるのみだ。
断捨離も済ませ、掃除の楽な一部屋住まい。 この世こそが、天国なのかも知れない。
今の私は、できるだけ、人様に迷惑をかけず、独立独歩で、最後の人生をゆっくり味わい尽くしたい。
身体が弱り始めても、 それは「当たり前のこと」と受け止め、慌てず、大事を取って、自分の部屋で過ごすつもりだ。
21世紀に老後を迎えたことは、幸運だと思う。インターネットのお陰で、日本文学の朗読も存分聞けるし、英語の講演会も聴き放題だ。
書物も買ったので、 読書も楽しめる。 英語の書籍は、バーンズノーブズという本屋さんで買い、ブックオフで日本語の本類を手に入れている。
あと数ヶ月で、新築のマンションが出来上がり、その一室を住まいにする予定だ。
人生ではじめて、新築の部屋住まいが実現する。夢は実現可能なのだ。
そこは、ホールフードマーケットの隣なので、日々の買い物に便利だ。
「虹屋」という日本食料品もあるので、15分程で、散歩がてら歩いて行ける便利さだ。
慌てず、のんびり命の有り難さを噛み締め、感謝の気持ちで全てを受け入れたい。
真っ青な空に白い雲。 真っ青な海に白い波。
幸せ踊りのリズムに、手拍子、足拍子、
心の中で、さあ踊ろうよ、 フラダンス。