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まだホノルルに住み始めて、2年半程の新米に過ぎないが、 ホノルルは住み心地が良い。
海風に乗り、多種類の言語が耳をかすめて行く。 元々のハワイ人、日本人、韓国人、中国人、フィリピン人、タイ人、シンガポール人、ベトナム人など、多くの民族が太平洋のど真ん中にある島で暮らしている。
ハワイは軍事基地もあるので、本国から来ている白人、黒人、アジア系アメリカ人も多い。
ハワイ生まれの人が当然多いが、本土出身で、仕事や他の理由でホノルルに住んでいる人もいる。
150年前に、移民として日本からハワイに入植、その方々の5世が活躍している場合もある。
100年前に、フィルピンからハワイに移住、その曾孫達が大活躍している場合もある。また、120年前に、朝鮮からの移民も始まった。
野放しの鶏が親子で, 餌探しをしている光景にも出会う、のんびりとした雰囲気が高齢化した私には、心地よい。
ハワイはサーフィンを楽しむ若者が多いが、 温暖な気候に魅せられ、高齢者も世界中から集まる。
地元生まれの人々も、海に囲まれた自然の美しいハワイでは、自然と長生き組が多いようだ。
冬が雨季であるハワイ。 通り雨、土砂降りと樹木が喜ぶ土地柄だ。 木々が幸せであると、その幸せ感が人間にも伝播するから面白い。
自然は全て何らかの形で繋がっているのだ。 象徴的に虹の多いハワイ。
日本も島国。海に囲まれている点、スケールは違うにせよ、ハワイと似ている。 日本もどこを見ても, 大小高低差の有る山々が多いが、ホノルルも毎日海も山も見れる。
若い頃は, 米国本土で思いっきり必死になって働いたが、78歳の今、 のんびり人間観察を楽しみながら, 散歩を楽しんでいられる事が、何よりありがたい。
その上、ハワイでは日本食も結構楽しめる。 ブックオフと言う古本屋さんもあり、日本語で書かれた書物も、気楽に手に入れる事ができる。
これから、本格的に ベービーブーマーが高齢化に突入する。ハワイに移住する人々は、自然と増え続けるだろう。
勿論、観光立国で有るハワイ。 疫病の為、 2年近く観光産業が苦戦したが、回復の兆しが見え始めている。
着飾った観光客がいないと、余計にホームレスが目立つ。 疫病を怖がり、住民の多くが自宅に篭り、散歩好きの私は、路上で多くのホームレスを見かけてしまった。
観光客で町がごった返していると、ホームレスもあまり目立たない。
ハワイだって天国では無いので、多くの社会問題を他州のように抱えているのだ。