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人生の醍醐味 82

Image by Olia Gozha

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まだ、現在のコンドに入居して、半年であるが、うっすらと見えて来た事がある。


勿論、 コンド入居のみが理由では無く、コビッド19 が落ち着き、人々がコビッド以前の普通の生活に戻り始めて、見え始めた部分もある。


オアフ島のホノルルも、米国本土同様、貧富の差がより顕著化している。


少数の勝ち組とその他大勢。その他大勢は必死で、以前の生活水準を保持しようとしている。


負け組と言われる人々の数字が、急速に増加しているのが現状だ。


世界地図を広げて、 オアフ島を見てみると、太平洋のど真ん中にぽつんと点のように浮かぶ小さな島なのだ。


それでも、ホノルルの人間界では、世界の濁流に流されて、貧富の差は目に見えて開いているように感じる。


高級住宅街は一か所に集中している場合が多い。一戸建ても然り、 コンドも同様だ。


蝶々が美しくほのかな香りを放つ花に群がるように、 大金持ちの側に近寄る人々も多い。


お抱え運転手の職を求める人、 邸宅内の掃除を請け負おうと競い合う子会社の職員。 大切なお金持ちの子守り役をかってでる人々。  


ヨガ、マッサージ師、お犬様の散歩係と、金持ちの為に働き、何某かの給金を得ようとする人々が多い。


蜂や 蝶々のように、花にとっても役に立つ、両者に利益をもたらす関係も多いが、中には心の中に悪巧みを秘め、猫撫で声で近づく輩も多い。

毒蛇が餌食を狙っているようなものだ。 


150年前に、元年者と言われる人々が、日本から正式に移民としてハワイに移住して以来、 日本とハワイは深い歴史的なつながりがあり、 日系アメリカ人がホノルルの社会で、長年重要な役割を果たして来た。


21世紀にも、 コビッド19が蔓延した2年ほどを除いて、日本から大勢の観光客が訪れ、ホノルルの経済を支えて来ていた。


高齢化したお金持ちの日本人が、コンドを買い、日本とハワイを行き来する人々も多い。  最低限必要な英語程度で、楽園のハワイを満喫できる。


現代は、若者たちが定職を持つのが難しい時代だ。  サーフィング、 観光、語学留学後、ホノルルに止まる若者達も多い。  なんらかの観光業などに関わり、 20、30、40才と時を過ごす人も出てくる。 


気がつけば60代、 アルバイト的仕事で食い継いできたため、自分の貯蓄もほとんどない。


高齢化した裕福な老婦人がホノルルの気候に魅せられ、コンドを購入した。  ホノルルの大自然は気に入ったが、孤独感に悩まされてていた。


長年、ホノルルに住んでいた日系人男性が、甘い言葉で近づき、孤独な老婦人は再婚した。  


でも2年以内に、怠け者で金蔓目当てのその男性に嫌気がさし、弁護士を通して、 正式に書類上は離婚した。


が、男性は住み慣れた大邸宅から出て行かなかった。  老婦人も、英語もおぼつかない外国生活、「用心棒ぐらいの役に立つ。」と、強制的に家を追い出さなかった。  


彼は元妻が買ってくれたジャガー車を乗り回し、高級仕立ての洋服を着て、主人ぶっていた。


日本の老婦人は、10年に及ぶその彼と完全に離別を決意、住宅を売り、子供達も孫達もいる日本に帰国した。


短期間元夫であった男性は住む場所もなく、 彼名義の銀行貯金もほとんどない。  働かずに優雅な生活ができた10年間が忘れられず、 彼は元妻の日本宅に「金くれ」と、メール攻撃を始めた。


七ヶ月ぶりに彼女は所用でホノルルを訪問した。インターネット検索などで、いち早くその情報をキャッチした男性は、 彼女の後をつけ始めた。ストーカーに成り果てたのだ。


ホノルルはある意味で狭い世界。どんなに彼を避けようとしても、見つかってしまう可能性も多く、偶然出会ってしまう率も高い。  


一事件が終了しても、新たな事件が発生する。 絢爛華やかに生活を謳歌している金持ちを狙うコスずるい人々も後をたたない。 イタチごっこが続くのだ。




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