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人と人の付き合い方も色々ある。 例えば、同じ村で生まれ育った近所の人と、何十年と何らかの関係を持ち続ける場合もある。
また学校生活中にできた友達のクラスメイトやクラブ部員も、お互いに仕事や結婚などで何度か引越しても、連絡を取り合い、たまには出張先で会ったり、故郷に帰った時に会って、食事等をしながら、近況を伝え合う場合もある。
同じ職場で長年働けば、 同期の人や、気の合った先輩や後輩と家族ぐるみの付き合いを続ける場合もある。
私の場合、ゆっくり振り返ってみると、夫との生活が一番長かった。 曲がりなりにも離婚もせず、別居もせず、 一人娘を育て上げた。
小、中、高校時代の人々とは完全に切れてしまった。 私が米国に行ってしまった事も一因だろう。
高校は、当時の宮城県の場合、男女別学であったので、 女子高生は卒業後結婚すれば苗字も変わる場合がほとんどで、 当時はインターネットもない時代、頻繁に手紙のやり取りや、電話でお互いに連絡を取り合っていない限り いつの間にかすっかり縁がきれてしまう場合が多い。
私の場合は、 特殊な職場に偶然ついて、 一匹狼的仕事で、一種の短期間の契約社員であったので、 同じ会社の同僚、先輩、後輩もいなかった。 お客様とは、数日間だけご一緒するだけで、 稀な場合を除いて、二度と会わない。
長年の知り合いである友人は、 夫だけであったと今頃気がついた。
通訳業を35年以上続けた関係か、 初対面の方々と、 話題を即座に考え話すのは割と上手いと自己評価している。
ホノルルに一人で越して来た時、 1番の条件は温暖な気候にひかれたのだ。 2番目は、車を運転しなくても、何とか日常生活ができる場所を意識的に選択した。
所詮、どの人も、生まれ、育ち、家庭を築き、子育てに励み、高齢化を迎える。
知らない土地に一人で来ることを選択した身としては、知らない人とすぐ話せるような性格は便利だと思う。
何十年も知っている人でなくても、人はそれぞれ独特の人生街道の道中のど真ん中。 どの人からも、心さえ開けば、学ぶ事が多い。
自分の人生だけが全てではない。人それぞれの人生から学び得る事が多いに違いない。
冒険のつもりで、 これから色々な人々の人生観をゆっくり聞かせて貰いたいと思う。


