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人生の醍醐味  59

Image by Olia Gozha

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自分の部屋がある事は有り難い。  たった一部屋に過ぎないが、されど一部屋で、大変貴重だ。


とは言え、夕方散策が終わっても、なかなか帰る気にはなれない。 広大な空を眺め、遠くの地平線を何時迄も見ていたい。 


寄せては返す波の音を聞いていたい。 通り過ぎる人の声も心地よい。知らない人であっても、 人には違い。


気の置けない生活を選んで正解だと思う。  人生の最後ぐらい、とことん自分と付き合っても良いのではないか。


「人間とは、 生きるという事は」と言った、哲学的な事を、散歩中に考えるのも乙なものだと思う。


夏の真昼間は日差しが強過ぎて、散歩に向かないので、 海風が吹く木陰で読書と決め込む。 それでも、暑すぎる時は、 コヒーショップの店内に逃げ込んだり、ホテルのロビーで読書。


夕方、太陽が西に傾き気温が少し下がった頃、おもむろに、書物を閉じ散策す。


この組み合わせが好きだ。私の気性にあっている。


一年ほどホノルルに住んでいて、暇人が多そうな印象を受ける。  でも、 喜寿を迎えるような後期高齢者仲間になった私には、のんびりムードが肌に合う。


転ばぬよう、 ゆっくり歩き回る私。 無理せず、 ベンチを見つけると数回は座り込む。  近くにいつでも誰か人がいる。


若い人々の動きが目を楽しませてくれる。 一人で行動している人も多いので、一人者にはとても有り難い。 周りの雰囲気に溶け込み易いのだ。


全てを包むように波の音。海風が肌を撫でて行く。三日月が夕空にくっきり見える。 今日も素敵な夕涼みができた。 これを幸せと言わずに何とする。





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