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ある日、私は地上に現れた。 色々人生を味わい、 気が付いたら、人生の夕暮れ時。
運良く、私を長年支えてくれた大自然に感謝する気持ちで一杯だ。 水平線に消える太陽を何度も見れる幸せ。
太平洋のど真ん中にあるホノルル。ほとんど毎日ワイキキビーチを歩き回り、 海の色の変化を楽しんでいる。
空も広い。雲の形も常に変化、波の音が気持ちいい。 夕日が全てを橙色に染める。
ゆったりと、夕方の景色の中に溶け込んでいる自分が好きだ。 自然と一体化している瞬間だ。長いといえば長い人生。基本的に健康に恵まれた事に感謝。 有難い。
ビルも夕陽に輝いている。 一人一人の人生の違いなどちっぽけなのだ。 自然は物も言わず 我々を包み込んでいる。
海風が皮膚に気持ち良い。余命が何年なのか本人も分からない。 それで良いのだ。 知る必要もない。
自分も自然の一部。分子にせよ、 細胞にせよ、 全て自然。 自然の采配に任せ、今の瞬間を十分味わえば、 それこそが人生の成功なのだろう。
人生の終わりに近づき、基本的に「幸せな人生だった」と、言える自分を褒めたい。 大自然と人間界と自分の三重奏。
偶然にせよ、出会った全ての人々に感謝の気持ちだ。 瞬時だけの出会いだったり、結構長年の付き合いだった人も、全て数人を除いて、 過去の中に消えていった。
これも自然の成り行きなのだろう。 これからの残り人生でも、まだ、新たな出会いもあるだろう。老化して、気難しくなる私の世話をして下さる人は、どんな人だろうと思う。
自分も気を引き締めて、気難しくなり過ぎない努力はするべきであるが、独り暮らしが長くなれば、 避けられない事だろう。 まあ、せいぜい、意識的に気難しくない努力は続けるべきだ。
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