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人生の醍醐味  52

Image by Olia Gozha

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「寒さに弱い」という単純な理由からホノルルに住み始めて、すでに16カ月過ぎた。幸運な事に、 平和に過ぎた。 少しづつ、オアフ島での生活にも慣れた。


日本に生まれ育ち、 大人になってから米国生活が始まり、主に東海岸に35年以上住んだ。


太平洋の島々に住む人々について、「迂闊にも知ろうとする努力を全然してこなかった。」という、事実に突き当たった。


人生最後まで、学び続ける事が大切であるが、 ホノルルに来たお陰で、何を学ぶべきかが、だんだん明瞭になってきた。  


ハワイは、東海岸と雰囲気がまるで違う。太平洋の島々で生まれた人々、日本、台湾、韓国、ベトナム、中国、タイランドはたまたインド人と、白人から見ると少数民族と分類される人々が、大多数を占めている。 


そして、もちろん、もともとのハワイ諸島の原住民の方々。 暑い日中を避け、日が沈みかけた頃から、 自分達の仲間が、15人あるいは20人、 集団で海から吹いてくる夜風を楽しんでいる。  


小さな子供達も、夜の8時を過ぎても、子供達で嬉しそうに遊び回っている。  大人達は、子供達に自由を与えながらも、しっかりと見守っている。 



しかも、堂々と各自の言語を、公の場で自信を持って話している。  太平洋の風に乗って、ワイキキを歩いていると、日本語も聴こえてくる。


バスの中でも、 時によりベトナム語、中国語、韓国語が聞こえる。 タイの言語、カンボジアの言語などは、全然私は聞き分けられない。


でも、 みんな自然体で自分の言語を、堂々と話しているのは気持ちが良い。 必要に応じて、英語で話す。


ガム島は第二次世界大戦中、日本が攻撃、アメリカが取り戻したという歴史がある。


ビキニ島は原爆実験が行われた島で、後に海水着の名前にもなった。


太平洋のど真ん中にある島で行われた核実験の結果、奇形児が何人も生まれたが、若い母親は

それを恥じて、誕生後亡くなった子供達を隠してしまった。


美しい珊瑚礁、大自然の素晴らしさを満喫できる場所も、何度も繰り返された核実験で汚染された。偏西風に乗り、世界にばら撒かれてしまった死の灰。


キルビスという珊瑚礁の島がある。 温暖化の影響をもろに受け、島が海水に浸食され、島民は全員、近い将来、何処かに移住する必要性が高まっているようだ。 キルビスの政治的指導者がホノルルで講演したのは2年前だ。


ワイキキ海岸には、 何時ものように、アジアから、世界から、観光客が押し寄せている。 夜遅くまで人通りが多く、散歩好きには、 人の目がおおく、安心して歩ける。有り難い事だ。


でも、同時に、私の全く知らなかった人々の生活ぶりを、身近な所で見せていただける場所に、今は住んでいる。「学べ」と言う天からの命令かもしれない。


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