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人生の醍醐味  36

Image by Olia Gozha

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オランダの最大都市である、アムステルダムへ仕事で出かけた。 仕事の 二日前に到着、 個人宅に安く泊めて頂いた。  その時、私は二度目のオランダ訪問だった。 折角だから、ちょっと観光気分を楽しむ事にした。  


インターネットが始まっていた時だったので、個人宅滞在を選択した。 会議中は、 立派なホテルに滞在できるが、 仕事前の二日間は、私用であるから、安全で安い宿を探したのだ。


幸い、貸し部屋の家主は、若い夫婦だった。 とても、親切な御夫婦で、 バス停のありか、見逃してはならない観光スポットなどを、教えてくださったのです。  そう、その御夫婦は英語が話せたのです。  


川沿いにある、アンネの隠れ家も、今では観光地の一つになっていて、大勢の観光客が出入りしていた。 仕掛けのある本箱を回転させ、アンネの家族が隠れていた部屋も見れた。


バス停が並んでいる所で、ちょっと公共の交通機関を利用してみようと思いついた。  ところが残念な事に、全くオランダ語が読めない。でも、その時は何となく、オランダでバスに乗ってみたくなり、 適当なバスに乗った。


暫く待つと、乗客全員が座っても、まだ空席が十分ある状態で、 出発した。  街の中を走り抜け、 高架道路の下を走る、短いトンネルを通過すると、心持ちバスは、スピードを上げ始めた。



体感で、 市内を走るバスと違うと感じ、次のバス停で降りる事にした。  どうも、市内巡回バスではなく、 遠距離急行のバスに乗ったようだ。  


なかなかバスは停車しなかった。心臓がドキドキし始めた頃、やっとバス停で停車。  急いで、そのバスを降りた。


反対側のバス停に移動、いつ来るかわからないバスをひたすら待っていた。  時間は午後4時、お店もほとんど見当たらない、割と静かな場所ではあったが、 日没までまだ十分時間があった。


やっとアムステルダム行きのバスが来て、その日のちょっとした冒険は終了した。 バス停が沢山並んでいる、元のアムステルダムに無事戻り、歩き続けた。  


橋の上に、台所車が止まっていて、行列ができている。 車の中の台所では、白い清潔な制服姿のシェフが、何やら食べ物の準備をしている。  


私も後列に並んだ。 小さな船形の入れ物に、割と大き目のイワシが二匹入っている。  どうも、すぐ食べられるようだ。 


私は欲張って、 4匹注文した。  シェフは指二本を立てた。 二匹だけ売るという事らしい。  

後ろに並んでいた人が、英語で、「一回に二匹買う約束なんだ。」と、 教えてくれた。


でも、 「再度並べば、もう一度二匹買えるよ。」とも教えてくれた。


地元の人の食べ方を私も真似をした。 イワシのしっぽを手で持ち、口を大きく空に向かって開いて、 そのイワシを食べるのだ。  新鮮な酢漬けの鰯で、ちょうどお腹が空き始めていた時で、すごく美味しかった。  勿論、私は再度後列に並びました。

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