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人生の醍醐味  21

Image by Olia Gozha

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日本からのお客様の多くは、西海岸に研修等で訪れると、必ずと言っていいほど、日程に余裕が有れば、グランドキャニオンにも寄る。


全世界労働大会が、偶々シカゴで開かれ、日本からも、多数労働組合員が参加した。その大会が終了後、週末を利用して、幹部3人がグランドキャニオンにも立ち寄った。 


サンフランシスコでも、次の週の初めに、米国労働組合幹部との会合予定が入っていた。そのため、 通訳も同行していた。


火曜の朝、グランドキャニオンを出発する予定になっていたので、3泊のんびりできた。 壮大なグランドキャニオン公園をまず歩き回った。 


翌朝早く、エンジェルトレイルと呼ばれている坂道を下りて、コロラド川の沿岸にある、インディアン村と呼ばれている場所まで、降りてみることにした。


観光案内パンフレットのアドバイスに従い、 早朝多めの朝食を食べた。 ステーキ、ジャガイモ、サラダとパンをたらふく食べた。


リュックには、りんごとビスケット、手拭い、水筒等を一緒に詰め込んだ。出発は朝6時少し前、これから坂道を3時間位かけてインデアン村まで降りる。  


道は小石が多い赤土の崖道であり、帰りは連続的に坂道を登る事になるので、6時間はかかるようだ。勿論、 インディアアン村で、最低2時間ぐらい休憩をする予定だ。  木が無い砂利道なので、日陰はなく、太陽が容赦無く照りつける。 


観光地だけに、登る人、降りる人が多く、全行程中、大自然の中にいる、孤独感を味わわなかった。 むしろ、狭い崖道をすれ違う時、 「水は十分あるか」と優しく声を掛け合う。


ラバに乗った観光客達も、坂道を降りてゆく。ラバは足がとても安定しているらしい。 崖っぷちきりきりの道を、お客を乗せて進んで行った。


道中の中程に井戸があり、水の補給場所でもあった。  井戸の周りは数本背丈の低い、木があり、貴重な木陰になっていた。  旅人達は水分補給後しばし休憩、情報を交換し合った。


坂道は渓谷であるので、自然曲がりくねっている。曲がった途端に、強風に煽られはっとしたり、角を曲がったら、雨が降りだいたり、大自然の中で、翻弄されながらも、景色の雄大さに心を奪われた。 


小石が多い坂道は滑りやすい。  崖っぷちから落ちないように、注意深く降りていった コロラド川の流れている渓谷の谷間にやっと到着、休憩しながら、りんごとビスケットを味わった。


帰りは6時間、唯々登りの連続だった。 足が疲れて悲鳴が出そうになったが、 人間界に戻るには登り続けるしかない。  


小休憩を何度も取り、辺りが薄暗くなる頃、ホテルに無事到着した。  足ががたがたするほど疲れていたが、達成感で幸せ感を味わった。ふと空を見上げると、キラキらと無数の星が輝いていた。  


翌日は、馬に乗ってグランドキャニオン公園内を、2時間ほど見学して回った。 


ホテルのある地区から林の中を、案内人の後について、我々観光客は乗馬を楽しんだ。 


最後の日は、観光バスに乗り、コロラド川岸に到着、大型イカダに乗り移り、グランドキャニオンを、川面の高さから見上げて楽しんだ。  


デコボコしている渓谷は、太陽光線の角度により、芸術的模様を岩に再現した。  昼食は小集団のイカダのお客全員に、支給されたサンドイッチを楽しみ、小休憩後、コロラド川下りの旅は続いた。 


観光バスは先回りして、イカダの終点船着場近くで待っていてくれた。  三日間のグランドキャニオン三昧も終わりになった。





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