妹は統一教会信者だ。
20年ほど昔、夫婦でアメリカ旅行をした時に車上荒らしに遭い、全てを盗られて日本に逃げ帰った後、あまりのショックで抜け殻のようになって街をフラフラしていたら勧誘されたとのことで、それ以来のめり込んでしまった。
家の被害は、総額約1000万。母は私に怒られるのが怖くてただ妹の言うなりに貢いでいたそうだ。最後に「800万の壺を買え」と言われたところで我慢できなくなり、私に助けを求めてきた。
私はすぐに自分を母の法定後見人補助人として家庭裁判所に登記し、オプションで同意権と取消権を設定し、私の同意なく母のお金を引き出すことを出来なくして、それ以上の被害が出るのを防いだ。
弁護士に相談すると、訴訟によってお金は取り返せると言われたが、妹との関係悪化を憂慮して、失った1000万は損切りすることにした。
8年ほど昔、私はヤフーパートナーで知り合ったバツイチの警察庁キャリア官僚と付き合っていた。
因みに警察庁とは、林野庁とか宮内庁とかと同じカテゴリーの行政組織のことで、ここで採用された人は国家公務員だ。一方、神奈川県警とか大阪府警とか警視庁(東京都警のこと)などに直に採用された人は地方公務員になる。警察庁のキャリア官僚ということは、国家公務員試験の総合職I種試験に合格した人ということである。
そのバツイチ官僚とデートしていた時、家が統一教会の被害に遭ったという話になった。
私は彼に、日本全国でこれだけ被害が出ていて、弁護士たちは躍起になって後始末に奔走しているのに、なんで警察は指をくわえて見ているだけなのかと不満をぶつけた。すると彼はこう言った。
「かつて京都府警が統一教会一派を逮捕直前まで追い詰めたことがあったんだよ。だけど結局、政治家に邪魔されて逮捕することは出来なかった。統一教会は政治家に守られているから警察は手出しができないんだ。」