私が生まれてきた時の記憶はない
ただ覚えているのは
おじいちゃんとおばあちゃんがいつもニコニコして私の頭を撫でてくれたこと
お父さんとお母さんが
泣いている姿と
おじいちゃんとおばあちゃんが私を抱きしめてくれる姿と
わたし、は
生まれた時から
そこにおじいちゃんがいたの
いつもわたしを見守ってくれて
くしゃくしゃの笑顔で
【馬鹿だなぁ、ことねは、馬鹿だ
だけどじいちゃんは
馬鹿な子ほど可愛い
俺も馬鹿だから】
そういって学歴なくても
誰かの笑顔のために
なにか進んでしていた
ボランティアのように
だけど最終的にそれは
おじいちゃんの実になって返ってくる
【ありがとう】って
あのときおじいちゃんに助けられたからって
おじいちゃん亡き後も
おじいちゃんが助けた人達から
わたしはどれだけの恩恵を受けたんだろうか
わたしはおじいちゃんの代わりじゃない
けど
おじいちゃんに恩返しできなかったら
お孫さんに
縁があったから
お孫さんを
私達も助けられたから
【恩知らず】もいるよね
でもおじいちゃんは
恩返ししてほしくて助けていたわけじゃなくて
献血なんて
【あんぱんと牛乳が貰えるから】ってしている人で
おじいちゃんの大好きなあんこ
わたしも今大好きだよ
私が15歳の時に
突然、事故死で目の前から
消えてなくなるんだ
昨日まで話していたのに
笑っていたのに
明日も
生きているって
逢えるんだって
なにも疑問に思わなかったから
石段の上から転落死したおじいちゃんが
【横たわり笑顔で寝ている】
寝ているのに・・・笑顔で
ねえ
触ると
【冷凍した魚のように冷たいの】
もう撫でてくれないの
笑ってくれないの
【馬鹿だなぁ】って
言って貰えない
わたしも一緒に死ねばまた会えるのかと
お通夜で叫んだわたしを
父親に引っぱたかれる頬が
痛い
【大好きなじいちゃんを亡くして辛いのはおまえだけじゃねぇ
そしてお前まで死ぬな
お父さんを独りにしないでくれ
これ以上大好きなひとを失わせないでくれ】
お父さん
が
泣いてわたしに頼んだのは
後にも先にもあの1回だけ
独りにしないわ
お父さん
わたしもあなたも
おじいちゃんの遺伝子を受け継ぐ者
わたし
そのものが
祖父の忘れ形見であると
わたしは幸せになるわ
必ず人生全うして
おじいちゃんのように
誰かの笑顔のために
【書き】続けるわ
わたしもなにか誰かの役にたつわ
それがお金になろうとなるまいとね
おじいちゃん
わたし
戦争だとコロナだとか津波とか
放射能とかね
とんでもない世界線にいま立ってるけど
あなたの孫だから
孫娘だから
笑いながら乗り越えていくわ
おじいちゃんに恥をかかせない
そういう人生を送ると
決めている
#ことねぇ
#spoon
#祖父とあんぱんと牛乳
#あなたの誇りはなんですか?
#誰に恥じない人生ですか?