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最愛のビッチな妻が死んだ 逮捕編16

Image by Olia Gozha

8月25日

『お市の影』『家日和』『在日米軍司令部』、宮部みゆきは何読んでもおもしろい。頭と身体のフラつきがハンパない。かつてない。コレは確実に死ぬ。衰弱してゆく。人の意思の力で死を選択できるのはいいことだ。証明してみせよう。

 立ち上がることすら、ままならない。人は絶食して何日で死ぬのか。目的はそこではない。触れ合いがほしかった。


8月26日

『犬が星見た』『砂時計』『何でも見てみよう』、今日は旅モノが当たった日だ。前回の留置所より孤独だ。気が遠くなる。目が回る。死ぬなら早くしやがれ。コレはキツい。ユルい地獄だ。死ねる。正気を保つ手段を見つけないとヤバい。気が狂ってしまう。


8月27日

『旅する木』『斎藤道三』『コシノ洋装店物語』

 あと何日だ。ガンとかにならないかな。死に至る病なら、何でもいい。死ぬなら家がいい。幻。すべては幻覚だ。僕はどこにもいない。もう何も望むな。

 家に帰る。フラッシュバック、こないな。いい加減、解放してくれ。目にきてる。何もしてないのに疲れてる。寝てるのに立ちくらむ。原因はどれだ。

 実現する聖書。三度目の正直。魔法をかけてくれ。強烈な奴。


8月28日

『華族夫人の忘れ物』『お引越し』『羊と鋼の森』

 もなか、羊カン、甘納豆、餃子、チョコレート、死にたい。いつからこう、変わってしまったのだろうか。立ち直れなかった。死に切れなかった。抗うことをやめてしまえばいい。上石神井時代で終わりたかった。おめおめと生き伸びるんじゃなかった。たたんでしまおう。

 沖縄そば、サーターアンダギー、パン、あげはの作ったにんじんしりしりが食べたい。死欲が爆発しそうだ。食べたいモノ食べて、死のう。一人。結局、追い付けるかな。待っててくれるかな。

 いろんな回り道して、ムダなこともしたけど、最短ルートで行こう。致死量のシャブをブチ込む。深く眠る。首吊る。死の理由は特にない。自分との戦いに勝った。責め勝った。

 5Gあれば足りるだろ。静脈に注入してやる。日本で違法だろうが、知ったことか。ハッパで食べて、シャブで死ぬ。死神は微笑むか。時間もないし、スパッといきたいね。

 見たくない現実。残された家族。知るか。勝手に死なせろ。権利はある。幸せだった時期はある。一人ではムリだった。掴めなかった。少し残念。

 僕が死んでも変わらない。世界は回る。できることも限られている。うまくやれない。時空がゆがむ。時は止まる。僕は終わる。

 死の瞬間、誰かを思うだろうか。誰かに届くだろうか。わからない。答えは知らない。まずは早く出ることだ。死ぬチャンスを得るために。このくだらない人生にピリオドを。余生が長過ぎた。

「アイツ、死んだよ」と伝わるだけでいい。余力はない。そう、純粋に終わりを求めている。もう、終わりは始まっている。決意したその時から。

 あと何回モノを食べ、何回吐くのだろうか。もう苦しむことはない。信じるものは騙される。終わりだけを信じてる。幕だ。もう。みんな帰ってくれ。ほしいものは持ってって。

 いい加減、解放してくれ。僕もツラい。現実には何もない。死ぬべし。死にます。好きにさせてくれ。ムダの多い人生だった。気付いたら手遅れ。手の施しようもない。

 恨みも後悔もないな。時間だけが過ぎてしまった。一度、二度、目が覚めない世界へ。埋める場所はあげはと同じ場所へ。コレで満足か。言いたいことはないか。言い残すことはないか。後付けで足せばいいさ。出たら、即実行だ。それまでの我慢。

 期待せず待とう。必ずくる。実行する日がくる。約束を果たそう。食べたら、死のう。最後の晩餐は好きなモノを。思う存分。

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