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最愛のビッチな妻が死んだ 逮捕編15

Image by Olia Gozha

8月21日

『許されようとは思いません』『禁忌装置』『背中の蜘蛛』。背中の蜘蛛、よかった。留置場で読むのにふさわしい一冊。

 身体が悲鳴を上げている。温かいモノが食べたい。明日は日曜か。ロールケーキの日だ、吐くから一緒。

 人を超えたモノの力に頼りたくなる時がある。ドラッグは人が作り出したモノだが、愛は? プログラムにしてはおもしろい。信じられるモノって何かあるか。恋人、友人、親…神。結局、どれも信じていないのでは。物体すら。実態。人殺し。罪人。法を犯すことは別にいい。

 リクエストした本、全然届かんな。発禁本でもあるまいし。クソが。精神が壊れて行くのを感じる。惨めだ。味がおいしいモノを食べたい。

 実刑喰らったら、ダルク行こう。縁起でもない。連絡取りたい人、わからんな。今の姿で会いたくないな。出たら、変われるのか。変わる気がないとムリだ。隣合わせの死とにらめっこ。身体中が痛い。

 善悪の彼岸。僕の取り分は? 堕ちて行く。なぜだ。こんなにも苦しむ理由は。助からない。治る気をなくした、ポンプで濃いのを注ぎ込みたい。旅立てる。片道切符。血がツバに混じる。もう長くないと思う。ああ、飽きてしまったな。つくづく自分に。死ぬな、コレは。


8月22日

『うたかたの日々』『東京公園』『主よ、永遠の休息を』、うたかたの日々、クラッシックでよい。主よは個人的に好み。今日の読書は当たりだった。

 めまいの時間がひんぱんに、長くなってきてる。順調だな。誰か面会にこないかな。グルーヴにまみれていたい。チーズインハンバーグが食べたきうなったな。冷たい弁当はそれだけでおいしくない。

 立ちくらみ率のハンパなさ。動機は自殺。テロリズムと思想の狭間。ジャンキーと精神疾患の両側を見る。クスリを使うことへの抵抗がないのはなぜか。また、抵抗があったのに使い続けた理由は。自殺への前進。末期だ。生き止まれそうにない。今回の波を乗り切れば。

 毎日、一日中ぐったりしてる。食べて吐くダメージ、デカい。コレは持たないぞ悩むとこじゃない、望んでた道だ。迷いはない。ダルい。ダルさを取りたい。自分を取り除きたい。死には近付いてる。

 じわじわと自殺してる感あるな。弱った身体にトドメを刺すのは。さっさと裁判やればいいのに。人道ってなんだっけ。踏み外したか。記憶として生きればいい。実体験をすべて記せないのは残念だ。そこまでの時間はない。ゴメンよ、あげは。やれることはやるよ。


8月24日

『アンのゆりかご』『恋文の技術』『ニセモノの妻』。読書慣れして、一日3冊だと追っつかないな。

 どういう人間になりたいのか。いっぱい恥ずかしい人間だ。あと何日、ココにいなくちゃいけないのか。信仰がない。三木道三、久しぶりに聴いたな。

 人を好きになれるのか。もうムリかも。ひたすらにダウナー入るな。この停滞期間は何に使うのが有効なんだ? 読書以外の娯楽が一切ないのがキツい。もう1ヶ月は入ってる。悟りとか開く時間か?

 社会生活が折り合い付かない。会話でバレる。グレーかブラックな仕事とか。期待しない。2回目の逮捕はマジでいらなかったな。時間のムダ。

 鈍る。大麻ぐらいほしい。もう限界だ。ヒマ過ぎる。集中できない。誰か僕を殺してくれないか? 

 やり取りしてるの、弁護士とダルクだけかよ。何が治るんだ? 怒りはないが飽きがスゴい。規則正しく、退屈だ。発見がある日々を希望。地味にじわじわと病むな、やることないって。

 サーカス観て観たいな。アジア諸国回りたい。出たら、自由に生きよう。覚醒剤をブチ込み、炭酸飲んで、タバコ吸う。コレでキマリ。絶対コレ。

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