7月8日
池井戸潤『民王』、意外とおもしろかった。毎日、3冊ペースだな。『おらおらでひとりいぐも』、普通。レーベルで読んじゃいかんね。読書のエンタメ性に再度、目覚めた感じだな。
今、思ってることを正直に話すぜ。まずは家に帰りたい。タバコ吸ってピルクルでも飲んでたい。ゆら帝聴き直したい。ハッパ吸って終わらない夜を楽しみたい。一人、ただアブるのも。ストーンと。思考がクリアになって、自我がひとつになるあの感じ。スティールギターでフヨフヨしてたい。
あと10日。面会くる人、少な過ぎ。ココにいることを知らせる手段がないから仕方がない。取り調べ少ないな。口数の減らない野郎だなと言わせたい。きっと君はこんな僕を見たら笑うだろう。僕は笑う君を見ていたい。それはきっととっても幸せなことなんだ。
「成長しなきゃ」「大人にならなきゃ」という自意識がより孤独にさせる。子供を育てられないのも関係してるのかも。男と女っていう分け方も嫌いだけど、大人、子供、20代、30代、40代って分け方もイヤだな。
「あの人だけは違う」「この人だけは違う」と言い切れるのか。結局、ただの成りゆきじゃなかったのか。別に誰かに認めてもらいたいわけじゃなし。
純度を高めると濃くなるといいな。スゴい濃いモノがおいしいモノってわけじゃないけど。毒にもクスリにもならないモノ入らない。
鼓動がおかしい。しばらく、入れてない状態で高純度なモノをブチ込む。それで形・容れ物が壊れても知らない。最後だし。バロウズを超えるジャンキー小説、書きたい。死んでもいい。そしたら、ひっそりとオーバードーズでいける。生も死も関係ない世界へ。グッドストーリージャンキーの救世主。やっぱり、ヘロイン探そう。シャブのラッシュとどう違うんだろう。
隣の部屋のため息が聞こえる。デロデロに溶けてしまえ。やっちゃうな、コレ。目は隠せない。どうする。サングラスか。目立つ気が。人目を気にしてるうちはやめておけ。
働かなくても暮らせれば楽なのにな。劇薬がほしい。アイス、ヘロイン、ハッパの順かな。ちょっとヘロインは絶対手に入れたい。やって死のう。そうしよう。
アイスは乱用しても死なないドラッグなのか。1Gでは? 新しいドラッグを試したい。ブッ壊れる奴、錯乱してしまう奴を。記憶がなくなるくらい強烈な一撃を。アイス、そのつもりで入れてたけど。いつか吸って、ブッ倒れたい。あの時のハッパは何だったんだろう。生きてるのかな。
7月8日
なんだよ、反省文って。学校かよ。バカバカしい。あと、父親、ふざけんな。辞書見ながら(反省文を)書いてる。書き終わったけど、正解が見えねえ。あ〜思い出しても父親の反応がイラつく。「またシャブやるかも」だと? そんな反応だから、やるんだよ。マジ、ファックだな。クソ。
狂気が宿るな。片時も離れない。ゆっくりと壊れていく。忘れかけていた記憶。始まりはどこから。終わりは始まり。出たら一章が終わるな。次の章は短そう。長くは持たん。今、何章目? 今日も一日が終わる。禁断症状はまだ出ない。あと10日か。
7月9日
筒井康隆『旅のラゴス』、湊かなえ『告白』、大当たり。ラゴスは火の鳥とナウシカ混ぜたような世界観で二度読み。告白はストーリーよかった。今日は当たり。読み込ませる小説に当たるとうれしい。池井戸潤の『七つの会議』もよくはあった。基本、エンタメ好きだからな。
今日は土曜か。明日は(留置場で)唯一おやつを頼める日だが、なぜまた先週と同じワッフルにしたんだろうか。そこは栗どら焼きでもよかったのでは。来週頼もう。最後の晩餐用。
出たら何しようかばっか考えてるな。恋人に連絡はついたのか。来週火曜までに連絡取れなかったら、メンドいな。女に頼ってばかりの人生だな。太宰かよ。恥の多い人生を送ってきました。究極、心中だな。
アヘンとは言わないものの、ヘロインの(入手する)難易度がわからん。重いのかな。ダウナーイメージ。感度悪いのかな。シャブ、ポンプでブチ込んでも、そんなにこないってのは…でも、ハッパなら、ちゃんと酔うしな。量かやり方か、原点に戻ってアブリ+ポンプで2発。
ヘロインもたしか静脈注射だよな。致死量のリミット低いイメージ。外人でも死ねるぐらいだし。ヨレそうだけど。シドとカートコバーンやジミヘンとかべルーシで神格化されてるのはあるかも。ま、死ねたら何でもいいや。
(普通の)アイス食べれるくらい平和な生活に戻りたかったな。ムリだな。なぜ生かされているのか。なぜ死んでいないのか。死んじゃいけない理由なんてない。そんなにイヤなら、人間やめる自由もあっていいはず。生きてて誰かに迷惑かけるのもイヤだしな。もう、ムリすんのやめよう。
本当はやりたかったこと…何だろ。今、ひとつ明確なのはヘロインぐらいだ。うまくハマレバいいけど。
こんな時、あげはがいればな。笑って怒るか、一緒にやるか、どっちだ。
強烈な体験を欲してる。脳天シビレるぐらいの。もう、そう決めた。そう動こう。ちょっと目盛りを間違えるだけで踏み込める世界。何の矛盾もない。拳銃とか買えそう。余った金でハッパ買おう。来週で人間やめよ。狂うなら今だ。もう未練がない。楽しみだ。
太陽、月、星、見てないな。今日は目が疲れた。借り物じゃない言葉で話すんだ。想像力を超えたところにそれはある。見たら死んじゃうじゃないか。不思議とクリエイトの間。
今日も一日が終わる。慣れって怖いな。
食欲、性欲、睡眠欲、全部なくして、ドラッグに逃げ込め。退屈してるヒマはない。書きたいだけじゃ伝わらん。誰か宛てでもなきゃ、読めない。
ひとつ、見破れない。バレない。目立たない。とか。
あと一週間。怒りはまだある。不満は薄れた。また樹海行って死体探ししたいな。もう、あんまり時間はない。安全な場所。ストール? 何? 思考がまとまらない。体系化できない。もう黄金期ではない。いつ全盛期過ぎたのか。
相手のいない伝言ゲームみたいだ。鍛えられない。文章が自分の文体ではなくなったのは、いつからか。虹見たいな。散文的に笑うしかない。誰が残ってるんだろうか。
(留置番号)11番。前科1犯。どこまでウソを積み重ねるのか。取り調べも反省文も終わってルカら、関係ない。とりあえず、保釈だ。
フラッシュバック並の鼓動の早さ。心不全でいけたらいいのに。眠りたい。切札がほしい。
7月11日
ドリアン助川『あん』、よかった。村上春樹は可もなく不可はあった。なんか鼻につく。あと一週間。いけるか。こうしてる間にも時は流れる。残酷にも。
今回の両親との決定的不和、どうしてくれようか。もう会うことはないだろう。「何度も裏切られてきた」って、何のことだ。あんたらのために生きてないし。思い出したくないことは忘れよう。この期間、この屈辱を忘れない。
食うために働くのではなく、働くために(ドラッグを)やる、を少しづつ変えていこう。「働く」「やる」「食う」、すべてを快楽へ。
宮部みゆき、何読んでもだいたいおもしろい。『堪忍箱』もよかった。感じ悪い看守、テンション下がる。最後の一週間。火曜日には弁護士がくるだろう。今日みたく、ちょうど3冊+30分くらいが理想だな。ハッパでも吸いたいな。出たら、オリンピックやってるんだろう。観ないけど。
金使うパターン、考えとこ。高井戸時代、深夜のコンビニバイトで20万稼いでたの、何に使ってたんだろう。レコードと本と服か。思い出さなくていいこと、いっぱいあるな。みんな元気かな。最初に死ぬのは僕なんだろうな。
もし、もう一回結婚したら3回目か。多いな。もう十分した気もするな。あげはのブログ、読んでみようか。神がかってる時期もあるだろうな。自分がおもしろい奴と付き合うには、自分がおもしろい奴である必要がある。今の僕はただの狂ったジャンキーだ。ゆっくり壊れたから、治るのは難しいな。
とびっきりのジャンキー女と付き合うのはどうか。正解かもしれないな。所有欲とは違う独占欲はまだ残されているのか。恋愛脳というか。
頭ブッ壊れそうな衝動、行きずりの、ドン詰まりの、死に物狂いの、愛。救われるか。最後に誰か一人でも救えれば、僕の魂も救われるのではないか。また、世界が変わり始めるんおではないか。一人で注射することがなくなるだけマシ。ジャンク…なんだっけ、ロード? 刺青が(身体に)張り付いて、もう取れなくなっている。
勢いよく流れて生きたい。生きたくはないが。誇れるモノは特にない。パチモン、摑まされるのだけはゴメンだ。上がったり、下がったり。髪染めよ。


