舞台女優を20-22歳まで、
昼間、歯科衛生士、夜はダブルワークでスナックや居酒屋でバイトをし、土日は小劇団の裏方の手伝い、台本書き。
二年間、ほぼ無休で毎日なにかしていました。
そのときに
とても綺麗な女の子がいて。
浜崎あゆみに似ていて、細くてモデル体型で、異様に異性にモテる子。
スナックで私はビラ配りやママの手伝いをしていて、カウンターやソファに座らなかったけど
ママが、若すぎるから男の相手しなくていい、客寄せパンダでいいって
【雑用】しか私には任せてくれなかった。
地味でモテないからだなぁっておもって、なんとも思わなかったけど。
その
綺麗な女の子は私と歳が近いのに
【カウンター席】について、ちゃんと接客していて、モテるし、私と違ってプライベートのかわし方も上手で
凄いなぁってみていたら
ある日
【私、芸能事務所に入る】
といってお店を辞めていった。ママがその事務所を調べて、凄い心配して引き止めていたけど
私の所属する事務所は、舞台やドラマの脇役のオーディションしかこなくて勧めたけど
【そんな事務所ヤダ】といって、私の所属する事務所ボロくそ文句いっていたから
凄い大手さんに所属したのかなって
思ったら
深夜テレビつけて
ローカル番組みていたら
【彼女がストリッパーのように服を脱いでいく】姿をみた。
え・・・・・・・
他人の空似かな。え?似ているけど
ママが【AVの事務所よ】って、そのあと教えてくれた。
えーぶい?!
知っていて、行ったの?!どうして・・・・・・・
『あの子はもう男からチヤホヤされることしか見えてなかったから、注意したのよ。遅かった。
・・・ことね、貴方を客につけないのはモテないからじゃないのよ。真面目だから社交辞令がわからない。あと私ね、貴方の書く文章が好きだから。貴方は女優じゃなくて、書き手でいくといいわ。だからカウンターにつけてないのよ』
【業界に残れるのは意志の強い子】
【流されて転がり落ちていく子は、男に良いように使われるだけなのよ】
その後、私は彼女をテレビでみていない。
女優になるのを嬉しそうにお客さんに語り、夢に取り組んで目を輝かせていた彼女は、もういない。
・・・・・・・ママは、私を守ってくれていたんだ。
おっちょこちょいで仕事出来ないから
じゃなかった。
私は、2年間、ママの教えを守り
【エッセイで賞を貰い全国出版】したことを機に、スナックや居酒屋のバイトを全て辞める。
(※別のエピソードも辞める理由の一つですがママには話しませんでした)
『貴方は夜の仕事、向いてないわね。でもね、私、ことねと話すの好きだったわ』
そこで知る。
【スナックのママになるまで銀座でナンバーワンホステスだったママの話を。結婚するほど悩んだお客様がいた話を。それでも夜の世界を選んだ話】だった。
『ことね、貴方は結婚、してみなさい。もしも、そういう人が出来たら、迷わずにしてみるといいわ。真面目なのは、貴方の良いところよ』
結婚してから私はママを探した。
ママのスナックは、人に渡っていて
もう、何処にいるのかもわからない。
いつか
私が著名人になったら・・・・・・・いや
年齢的にもしかしたらもう・・・・・・・
ママ、ありがとう。
私、まだ【書いているよ】
#夜の揚羽蝶
#スナック
#舞台女優
#意志の強い子
#男に良いように使われないように