散らばりそうになる
心を束ね直しては
また散らかし
いけないけないと我に帰り
また丁寧に束ね直す
そんな、ここ数ヶ月だった。
しかし、今月は
ちょっぴりだけだが
散らかりがマシである。
きっかけは
お世話になっている
ある方に言われた言葉だった
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財政面は、無論大事だが
己の人生の指標を
決して見失うなってはいけない
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童心という言葉が
相応しいのか
わからないが
独立当初の熱い気持ちが
それまでまでは
薄れつつあった。
確固たる志は何処。
あっちに行ったり
こっちに行ったりと
心の中が大いに
散らかりまくっていた。
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「いや、今これをやっていると
売上が」
「世間体的に
こっちのほうがいいのでは」
「でも、これがやりたいし」
本能と理性の合戦の日々。
本心でもない言い訳を
ぽんぽんと量産させては
いらないプレゼントを
自分にしていた。
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気づけば年末。
時の流れる速さと
予想以上の時間のなさに
焦りを覚えはじめた。
妥協をした仕事を
している暇など
自分にあるのか。
背に腹はかえられぬ
という言葉を
幾度となく辞書でひき
自分を無理やり
納得させては
頭を抱える。
嗚呼、つらたん。
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大局を捉えろだの
長期的戦略だの
世の中には
素晴らしい言葉が
山ほどあるが
当時の僕は
「ええい、喧しい。
こちとら目の前のことで
いっぱいなんだ」
と口角泡を飛ばしては
鼻息をフンフンしていた
焦燥感と憤怒の感情が
指先に集まり
エンターキーを
叩く音は日に日に
大きくなっていった
なんとも視野の
狭い男だろうか
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ところが、都合のいい話を
聞くとまた
心の中の坊やの僕が
物を散らかす。
「やっぱそうだな
こっちもいいよな」
だの
今度は
言い訳生産ロボットの僕が
ひょこりと顔を出してくる
押しては返す
本能と理性の
ビッグウェーブ
荒れ狂う波にのまれる日々。
ますます、自分が
わからなくなってきた。
当初 打ち立てた
青雲の志は何処に
いったというのか
かくして、よくわからない
モクモクした何かで
頭のてっぺんから爪先まで
満たされた。
そんな、ある日
久しぶりに会った
ある方に
「今一番やりたいことは何か」
や
「ワクワクすることは何か」
と、色々聞かれた。
対する答えを
詰まりながらも
ぽろぽろ零すボク。
口を動かしながら
自分の本心と
ここまで向き合うのは
久しぶりだ
ということに
気付いた。
ここ最近までは
本心に厚い布を被せては
目を逸らし
売上だの、見せ方など、様々な
扱いにくい奴らと
接してきた。
「こうしたい」「こうなりたい」
というよりかは
「こうあるべきかな」やれ
「こっちの方がいいよな」だの
なんとも
フワフワした気持ちばかりで
心を埋めていた
それが正解だと
勘違いし、どこか
妥協をしていた。
酷い時は
完全に理性に
振り切り
何度も自分の心に
麻酔を打っていた。
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それ以降
身がなんだか
軽くなった気がする
姿が見えない
プレッシャーもなくなり
言い訳生産ロボットの僕も
あまり見かけなくなった
もちろん、たまには
戻りそうになる時があるが
以前の僕より
遥かに状態が良い。
なんとか、持ち直せたことが嬉しい。
これ以上書くと
キリがないので
ここまでにしておく。
をはり


