ご飯の話。気分変調症と診断され5ヶ月、仕事を休み、薬漬けになり、大分一時よりは症状もマシになってきた。こんなに穏やかに休日の午前を過ごせるのはいつぶりだろう。というか、そもそも休日の午前から起きているということ自体が奇跡な訳で。
閑話休題。今日は少し性別のことは置いておいて、ご飯の話。
突然だが、僕は食べることが好きではない。ということに気がついたのは割と最近、特に食卓につく、ということが激しく苦手だ。
恐らく、それはトラウマ。幼少期、僕にとって家庭の食卓は、逃げられない苦痛の場であった。繰り返される誰かの悪口、何かへの文句、もしくは自分への罵倒、嫌味、否定、等々。とにかく早く食べ終わってしまえば、テーブルから逃げられる。味のしない白米を口に詰め込み、味噌汁で流し込み、ただ早く目の前の食器を空にして席を立つことに必死だった。結果どうなったか?…食事というのが、苦痛とセットで刷り込まれてしまったのだろう。まず疲弊すると全く食事を受け付けなくなってしまった。口に入れても、噛んで飲み込む動作ができないのだ。
体を動かす仕事なので、食べないと血糖値が下がり、持たない。だから、とにかく、なにか口に入れなくては。そう思えば思うほど、口が動かなくなり、味はしないし、箸すら持ち上げられず、用意した食事を前に途方に暮れる日々が続いていた。休職寸前など、朝は食べず(そも起き上がれなかった)、昼はカップスープのみ、夜はカップ麺ひとつも厳しいくらい。たまには豪華に、とか思ってファミレスに入り、メニュー画面を見た瞬間にザッと食欲が消えた瞬間なんて笑ってしまった。あぁ、食事すらまともに取れないダメ人間、クズ、社会人失格、、、昔言われたような言葉が、延々ファミレスのソファー席にこだましていた。
そんな状況から4ヶ月、今は自炊して食べられるくらいまで回復していた。卵10個入りを1パック買うという大いなる挑戦に成功できたというのも、大きいかもしれない。そも、食べることに嫌悪感が出てしまうと、作るなどもってのほかなのだ。冷蔵庫に食材がある、素晴らしい。今朝は目玉焼きとロールパンを焼いて、フリーズドライのスープ。半熟に上手く焼けた目玉焼きを「おいしい」と感じて、なんだかじわっと来た。あぁ、味がするって素晴らしい。ご飯をおいしく食べられるって、いいなぁ。
結局、気分変調症の他にも気が付いたらPTSDの診断が降りていたので、恐らく先はまだまだ長いだろう。性別の曖昧さや過眠症、なかなかやまない自傷など、課題は山積みだ。まぁ、でも、とりあえず。今日はご飯が美味しかったので、良しとする。明日もおいしくありますように、と願いを込めて、丁寧に手を合わせ、ごちそうさまでした。


