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月が眠る夜〜3〜

Image by Olia Gozha

  菫・・・



『死んでよ』



菫の手に、ロープが握られている。


 包丁じゃないことに感謝しないといけない。


 『菫、私を・・・殺すの・・・』





 ドサッと


菫が、倒れた・・・


 海斗(カイト)・・・


菫と付き合ってる海斗が、元彼が、菫を後ろからマガジンの雑誌でなぐり、気絶させた。


 『な、なにしてるの・・・海斗・・・』



 「え?あ、いや、由莉大丈夫?」


 『大丈夫、だけど、菫が大丈夫じゃないでしょ』


 「助けにきた、由莉」


『え?』


 「あ、だからさ、菫と付き合ってるっていうのが嘘。だいぶ前から盗聴器に俺が気づいてて、ストーカーがいるから男だと思って調べてたんだけど」



 『・・・は??』

ごめん、頭がついていかない。

海斗は、菫の異常に気づいてて、それで乗っかって菫を捕まえようとしたってこと?なんで?


 「浮気してんのかなって心ここにあらずだから。違うんだな、お前は。本当に小説のことだけで、男は俺だけだったんだな」


 あ、ああ・・・そこ?


 そうだね、私は男は彼氏だけだね。

 夢中になる【小説】があるからなかなか彼氏も出来なくて


  「・・・」


 後ろから抱きしめられて、海斗の声が耳元から聴こえる。


 「あー、ごめん、試して。めちゃくちゃ不安で、他に男いるのかとか、俺のこと身体だけなのかなとか」


『身体だけ?!それふつー女が思うことでしょ』


 「あ、そっか、ごめん」


『ハッキリ好きだと言われず付き合ってるからね。私は好きだって言ってるけど』


 顔が見えない、けど。そして私の顔も見えないけど。


 いま、私は耳元まで顔が紅い。


「好きだ・・・菫と付き合ってる話をして視界から消えてっていわれたとき、気持ちを試したこと後悔した・・・」



 『ばか』


 「ばかだよ。お前、可愛いからな、言動とか行動とか。美人だしな」


 『ありがと・・・』

照れながら



何言ってるんだ、私たちは。


さて、菫は、とりあえず警察に突き出すか。パソコンの証拠を抑えて、これを出すのもちょっと・・・とりあえず提出するものを選びたい感じ。


 だめか、全部提出だろうけど。



『菫、ごめんね。無神経だった。私が。気をつけ、る。そして、あなた』





 【犯罪者になってるよ?】



End

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