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星空みながら大学に通う<ある夜間大学生の平凡な話>その4.夏

Image by Olia Gozha

物語ー夏ー

学生の元へ暑さとともにやってくる試練…それは試験期間である。

実家暮らしの学生にも、苦学生にも、真面目な学生にも、サボり気味の学生にも…、平等にその時はやってくる。

私もこの期間はアルバイトをセーブし、朝から大学の図書館に向かう。

今日は夕方から関門試験(必修科目)の試験がある。

完璧とは思いつつも不安なので、朝9時前に図書館に入る。図書館の独特な匂いがする。

勉強をしなくてはと思うけれど、知的好奇心を駆り立てる本がたくさんあって、まずは別の本を読む。

少し本を読みリフレッシュしたら、テスト勉強に取り掛かる。とはいえ、私は時間も限られており、効率良く良い点数を取るため、ひたすら自分のノートを全て理解し。こっそりと手に入れた過去問を解く。

こうすれば量子力学も有機化学も無機化学も、自分のものになったような気がして不思議だ。

お昼休みに少し街を散策する。午前中に図書館で冷えた身体を近くの坂を上り下りして温める。そうこうしているうちに、知り合いに出くわし、図書館に置いていたノートや教科書を片付け、近くのハンバーガー屋で一緒に勉強する。

「ここのハンバーガー、味変わったような気がするんだけど。」

「多分、今日だけ作ってる人が違うんじゃない?」

バイトをしつつの毎日とはいえ、私にとって普通の会話を友人と楽しみ、自由に勉強できる毎日はとても嬉しいものだった。

そして、夕方近くなると、試験に向けて沢山の学生が学校にやってくる。

昼間の学生と夜間の学生が交差する、一番活気のある時間帯だ。

昼間あった友人と一緒に会場に向かう。

教室につくと、もう教科書もノートも見ない。

どうにでもなれ!という心境。

そして、チャイムがなり、試験がはじまる。

学生生活の中で一番緊張する時間だ。



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