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PとUSA 第3話

Image by Olia Gozha

〜Penpal〜


あのメッセージを送った相手から、日本語でメッセージが帰ってきた。


「おぉ、マジか。日本語で返信が来た!すげぇ」って言うのが最初の感想で、自分から連絡をしたにも関わらず、何を話せば良いのか分からなかったから、とりあえず簡単な自己紹介を書いて送信した。


それから何回かやりとりをした後、Japan-guide.comのコミュニティチャットはメッセージが来たら登録しているメアドに通知が来る仕組みで、連絡するのにいちいちサイト内のチャット欄を開かないといけないから面倒くせぇなと思い、思い切ってLINEとかのアカウントを聞くことにした。

すると、「LINEならあるよー」と返事が来て

IDを教えてもらった。


教えてもらったIDを入力したら、彼女らしきアカウントが出てきて、プロフィール写真を見た時に「可愛い人だなぁ」と思った。


俗に言う…一目惚れ。


彼女は同い年ではあったが高校生だった…これにはアメリカの学校の制度が関係していて、日本とは異なりアメリカの学校は9月から新学年・新学期が始まるから。

学生である為色々忙しく、時差の影響もあって、中々返信は返ってこなかったがそれでも彼女からの返信を楽しみに毎日を過ごしていた。


ある日、「写真が送信されました。」って通知が来たから、「なんだろ」って思ってLINEを開いたところ、彼女のセルフィー写真だった。

「マジで!」と思ったけど、「顔をも知らぬ相手と連絡を続けるのは何か変じゃない?」と言われ、「確かにそりゃそうだ」と思った。

俺はLINEのアイコンを顔写真にしておらず、彼女に自分の写真を送信したことがなかったから、「顔を見てみたい」と言われた時に「自撮りとかしないから写真は無いよ」と説明したところ、「自分が嫌いなの?」って言われた。

彼女の自尊心の高さには圧倒された。


また、ある日「ビデオ電話しない?」と言われた。

ただのビデオ電話なのに凄い緊張した。

会ったことない人とビデオ通話する事は無かったし、なにより外国人とビデオ通話するという事が初めての経験だったからだと思う。

ビデオ通話したところ、iPhoneの画面の向こう側に彼女の姿があった。

「こんにちは〜」と彼女が話し出した瞬間、俺は一瞬固まった…「おぉ!!日本語上手い!すげぇ」っていう感じで。


時間はあっという間に過ぎて、ビデオ通話が終わった後に彼女が実在する人物だと言うことに安心した事と明日から頑張ろうと思えた。


彼女は返信をしてくれる時によくアメリカの景色やその日の出来事の写真を送ってくれ、それは地元を離れたことの無い俺とって、とても新鮮な経験だった。


彼女に俺が目指している夢の話をした時、「夢を持って頑張っているのは凄い、応援しているよ」と言ってくれた。

この言葉がすごく励みになり、「彼女といつか会う時に警察官として頑張っている姿を見せたい」と決心した。



俺は自分の夢を叶える為に、自分の地元じゃない都道府県で採用試験を受けることにした。

とりあえず、東の警視庁と西の大阪府警


採用試験の日程が早い大阪府警に申し込みをし、去年と変わらず、ゴロゴロと遊び、彼女からの連絡を生きがいに日々を生きていた。


そして、ノー勉のまま大阪府警の採用試験を迎える。

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