top of page

13/7/13

【11】痛みと温度が同居した日 ~大すきで大きらいを知る~

Image by Olia Gozha

すき。

ただ そのキモチを伝えるだけで良かったはずなのに

気づいたら それだけじゃ物足りなくなっていった。


それは呼吸とおなじ。

吐いた息の届く距離で 同じように言ってほしくて。



夕暮れ時 ひとり 家の電気をつけるのがイヤで

よく 散歩にでかけた。


一回り上だと 当たり前のように 仕事の帰りはおそかった。

お休みもほとんどなくて 楽しそうに疲れてた。


わたしの初めての恋は お友だちに見たモノとは違っていて

こんなはずじゃなかったって どこかで思ったりもして・・・・・

楽しそうなのを素直に喜べたのは はじめの内だけ。



彼は信頼の厚い人だったから 色々な人から相談を受けることがあって

そのせいで帰りが遅いこともあった。

彼は言わなかったけど 相手が女性であったことは 分かるモノ。


それを理解できるほど 大人にはなれなかったし

強がることも 弱さを隠せるほどの きれいごとを言える余裕も生まれなかった。


辛いトキに笑えていた自分が嘘のようだった。



イヤだ。

そうやって泣いた日が いくつもあった。


大すきな想いは 少しずつ 自分を守ることに変わっていき

傷つきたくなくて 彼のことを責めたし

キモチを確かめたくて わがままをいっぱい言ったし

彼のキモチが冷めていくのが分かっていながらも


わたしは平気で 彼から笑顔を奪ったのです。





吐く息が 白くなり始めた頃。


2人で飼いはじめたばかりの猫が風邪をひきました。


猫は風邪をひくと死んじゃうかもしれないって聞いて とても不安になった。

そんな時にやけに帰りも早く、病院につきそってくれたり

やさしくしてくれたりした彼が 横にいた。


そのやさしさにふれて わたしは大きらいになった。

大きらいにならないと いけなかった。


それは 猫も彼も どちらも失うのがとても怖かったから。



PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page