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タクシー運転手の日常「おばさまの息抜き」

Image by Olia Gozha

おばさまをお乗せした。

乗ってきて、行き先を告げるとすぐに喋り始める。
お「運転手さんは病院に入院したことある?」

運「僕はないですね~、あっても1歳とかぐらいなので記憶は無いです。」

お「そうなのね~、私はいま65になるんだけどね、周りがもう葬式か病院かで、まあしょうがないんだけど」

運「そうですか」

お「それにうちは老々介護をしているのよ、母が92歳になるものだから、認知症で1よ。」

運「そうなんですね~」

よくわからず返事したが、おばさまの言いたかったのは“認知症の要介護1”ということかもしれない。

お「母にはお世話になったから恩返しはしたいけど、
やっぱりたいへんよね~」

運「う~ん、、なんか介護業界も人手不足とかなんとかって言いますよね」

お「そう、介護してくれても毎日じゃないから。やっぱり毎日一緒にいると大変よ。どこかに入れたいんだけど、でもそれはやっぱり、、、ねぇ」

運「そうですよね~」

お「うちの父はね~、84歳の時に亡くなったのよ。正月三が日飲み歩いて4日に倒れたと思ったら5日に亡くなっちゃった。」

運「そうですか~」

お「もちろん悲しかったけど、やっぱりそうやって私も迷惑かけずにいなくなりたいものよね」

運「そうですね~」

その後も、話題を3つ4つ止まらず話していた。
降り際、
お「なんか、いろいろ喋っちゃってごめんなさいね」

全然いい。
多少は息抜きの場所になれたかな。


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