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13/6/29

ごくごくささいなサクセスストーリー

Image by Olia Gozha

 昔々、私がシンガポールで仕事をしていた時の事です。ある日ふと回転寿司屋に入りました。

 普段は主に屋台で安い現地の料理を食べてたのですが、日本食が恋しくなったというか、なんとはなしに行った時の事です。そこで私はすしやから揚げと肴にビールを飲みました。

 二杯目を注文した時の事です。ウエイターが「ありがとございます」とかたことの日本語で返事をし、なおかつ空いた缶を下げてしまいました。おかしいなとは思ったのですが、なにかにチェックしているだろうしと思い、とくに気に病むこともなく三杯、四杯と飲み続けました。

 お勘定のときにずいぶん安いなと思いあとからレシートをチェックすると、ビールが一杯分しか請求されていませんでした。その時は申し訳ないとも思いましたが、またラッキーだとも思いそのまま帰りました。

 しかしです。その後その寿司屋に行くたびにビールは何杯飲んでも一杯分しか請求されませんでした。ウエイターとは顔なじみになり、「またきたね、ありがとございます」などと会話までかわす仲になってまで、状況はかわりませんでした。

 そこでためしに他の回転寿司屋にいってみたところ、そこでも同じでした。ためしにマレーシアの回転寿司屋にいって試してみてもそうでした。

 一年がすぎ、「いつもありがとね」などといわれると、さすがに良心が傷んできてしまい、正直に話そうかとも考えましたが、いまさらそれまで飲んだビール代全額請求されても困り果ててしまうので、そのまま黙っていました。

 決して断じて、飲み逃げするつもりが、最初からあったわけではないことをここで報告しておきます。読者のかたも、よかったらお試しあれ、時代が変わり、全額請求されても当方はいっさい責任を負いませぬ。あしからず。

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