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節電虫の誕生 4.1.2 午前4時からの2時間 (2)

Image by Olia Gozha

次に、この外付けベル内部にファックスの電源をオン・オフする簡単な電気配線を行い、

①電話がかかってきたときに「電源がオン」し、

②電話をかける時にも同じように「電源がオン」し、

③電話回線が使用されている間、すなわち電話中は「電源オン状態が持続」し、

④電話回線使用が終了したら「電源がオフ」する、

ことを先ず豆電球の点滅を使って何度も確認しました。すなわち、電話がかかってきたり、電話をかけると豆電球が点灯し、電話を切ると豆電球が消灯すること、もっと簡単に言えば、電話と電源が連動することを確認した訳です。

そして、豆電球の代わりに実際のファックスを接続して最終的にファックスによる電話・電源連動実験を終了したのが午前6時頃でした。事務所に入ってから観察、動作確認、豆電球実験、そしてファックス実験の一連の流れが約2時間で終了しました。

なんと、開発の基礎は僅か2時間ほどで完了したのでした。しかも無料でいただいた電話用外付けベルを利用して。

気がつけば事務所の前の国道184号線には朝早く仕事に向かう人々が車を走らせてそれぞれ職場へ向かっている時間になっていました。

このようにして、電話したり、電話がかかってきた時に「電源をオン」でき、電話回線が使用されている間は「電源オン状態を持続でき」、電話が切れたときには「電源がオフ」になるという小さな節電装置の手作り原型(写真上、節電虫(益虫)開発1号機)は1994年6月29日の早朝約2時間で完成したのでした。

この開発作業の特色は以下の3つの“無”で表現できるかと思います。すなわち、

①特別な研究・実験装置は無かった、

②多額の研究費は無かった、

③多くの開発研究員はいなかった

ということです。この“3無し状態”で節電虫(益虫)一号機は小さな会社の事務所の一角において短時間で産声をあげました。

偶然ですが、この6月29日は私の妻の誕生日でもあるのです。

節電虫(益虫)の名称について:節電虫(益虫)はその誕生から1996年2月までの約1年8ヶ月の間はスイッチ・オン・ディマンド(SOD、Switch on demand の略、必要時のみスイッチを入れるという意味)を名前としていました。1996年3月より装置の機能を即座に理解いただくように「節電虫(益虫)」と改めました。この装置が小さく、せかせかと一日24時間休みなく働くことをイメージして「虫」という字をつけました。なお、節電虫(益虫)はファックスなどの機器に接続した時点から節電を開始し働き続けますので、機器に接続されている間は常に節電中であることを示唆する、という意味からも「節電虫(益虫)」は「せつでんちゅう」とも読んでいただいても結構なのです。

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