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道草物語 第五話

Image by Olia Gozha

2018年7月中旬。

まさかまさかで、契約が白紙に戻った。何があったのかは詳しく言えないけれど、いろいろな問題が発生していた。

たとえばお金。内装の見積もりに対して貯金ゼロ円という、黄金伝説を思わせる状況はともかく、資金が集まりそうになかった。出資の話や、投資の話もいただいて「あれ、いけるのでは?いけちゃうのでは?」と思っていたんだけど、なんやかんやでその話も全て白紙に戻ったりで、結果集まらなかった。

人の夢と書いて儚い、とはよく言ったものである。本当に儚く散った。不動産会社の担当のお姉様は「これもまたご縁ですから」と京都美人のような素敵なセリフを残してさよならした。後ろ姿がとても美しかった。

後日談となるが、その担当女性は、オープンして間も無くお祝いの花と共にお店に来てくださった。バケツをひっくり返したような大雨の日だった。一年ぶりに会う彼女は、とてもしなやかで、強く、そして和傘がよく似合っていた。笑顔で「素敵なご縁に恵まれましたね」と言われた時、キッチンで僕は少し泣いた。そうだ、京都行こう。

さて物件である。先は長い。この話はまだまだゆっくりと続いていく。まだ序章だ。道草しよう、人生は長い。

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