なんだかんだ時間ができると悩むものだ。
それもこれも古郡の思い通りになっているようで気に入らなかったが、悩んだ。
久しぶりに駒を触ったが、やっぱり将棋は楽しいもんだな。
もうプロにはなれない。
将棋指しとして一番大事な時期に将棋を指すことをやめていた。けど、アマとして楽しむ分にはいいのかな?
奨励会レベルの奴らと刺してみたい。そんな気持ちもないわけではない。
でもやっぱり俺にとって将棋は、プロになることが目標だったからこそ、アマとして続けるくらいならやらないほうがマシだ。そう思う気持ちもあった。
大会の時は完全な状態で挑んだわけではなかったが、あの脳が焼けるようなチリチリと導火線に火がついたような、脳が活発に動いている感覚。あの感覚はやっぱり癖になる。あの感覚が最高に好きだ。将棋を指している時以外、あんなに集中するこないもんな。
趣味としてかー。
趣味として続けるってどうなんだろ。
なんか嫌だ。
だったら忘れたい。
けど、あの感覚をもう一度味わいたい。
当時、付き合っていた彼女に珍しく相談してみた。基本的に悩みとか、自分のそう言う面とかは一切話てこなかったけど、良い機会だから話をしてみることにした。
俺「ねえ、今度関東大会に出ることになったんだけど、辞退しようと思ってるんだよね。」
彼女「は?なんのこと?てか関東大会って何?」
俺「いやあ、実はひょんなことから将棋の大会に出たんだけど、それで関東に。」
彼女「え、何。そもそもあんた将棋できたの?それすら私知らないんだけど。」
俺「ああ、そういや言ってなかったっけ?まあ、小さい頃プロ目指してたこともあってね。挫折して小6の時に諦めたんだけど。」
彼女「すごいじゃん!じゃあ強いんでしょ?てかなんでそう言うこと早く言わないの!」
俺「え、だってそんな言うことでもないかなと。」
彼女「いや言えよ!大事でしょ!ほんとあんたって自分のことなんにも話さないよね。」
俺「ごめんなさい。」
彼女「とりあえず詳しく」
俺「はい。かくかくしかじか」
今までのことを話した。今までプロを目指した時期があったこと、学校の部活での話、大会での話。全部話した。この彼女はかなり気が強く、こう言うことになると俺より強い。言うことを聞くしかなかった。
彼女「話は大体わかったけど、それで大会辞退するって?」
俺「はい。別に出なくていいかなと。」
彼女「でろよ。あんた、その大会出たくても出れない人たくさんいるんでしょ?それにあんた強いんだったらちゃんとやらなきゃダメだよ。代表になれる力がある人はちゃんとやらなきゃいけない責任があるの。誰でもできるわけじゃないんだから。出なさい。」
俺「はい、、、」
彼女「それに本当にやりたくないの?あたしはあんたが将棋やってるところ一度見て見たいけどね。」
俺「んん、まあやりたくないって気持ちもあるけど、全くやりたくないかって言われたら嘘になるかな。」
彼女「じゃあやりなさいよ。やれる時にやらないほうが後悔するよ。それでプロ目指すこと諦めたの後悔してるんでしょ?まだちゃんとやり切ってないわけじゃん。」
俺「確かに。」
彼女「あんたにそんな趣味があっただなんてね。なんも知らなかったわ。ってか他にもなんか話してないことない?言わなかったら怒るからね。」
(もう怒ってるって、、、)
俺「んー空手やってた」
彼女「は?」
この後暫く説教された。。。。


