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解き放たれた心 - 最初の壁 -

Image by Olia Gozha

Buddha Child Walking Road
(仏の子の歩む道)より


 刑務所を出て忘れもしない身元引受人である父親と歩む道のりで、最初は殊勝なことも、今後の不安もむな内を横切るのでしょう。さまざまなことを耳にしました。

 「お前のことは誰にも言っていないから...」(結果...言ってたんだけど。笑)
 「これからは真面目に生きて...」(今までも真面目でしたよ?短気なだけで。笑)
 「俺はこれからどうして行けばいいんや?」(今まで通りでいいと思います。笑)
 「バレてしまっては生きて行けない」(空気があって、水分補給と食事が取れれば、何とかなります。アナタはそうしてあの戦争を生き抜いたでしょう?笑)

 本当に心の中で突っ込みながら、「うん。うん。」と口では返事していました。

 そして最初に自宅近くの大型スーパーで買い物。
 「お前のものは何もないから、自分で揃えなさい。お父さんはお金が無いから、自分で買いなさい」

 「ちょっと待って?」

 心の中で私の声が大声で突っ込みます。
 この父親...拘置所や刑務所へそりゃ刑務官も感心するぐらいに通っておりました。今だから言えますが...これ何しに来ていたかというと、私のお金を取りに来ていた訳です。本当に通いまくって、自分の子でもある犯罪者からお金を借りる親なんて前代未聞でしょう?(一円も戻って来ていませんが)

 ちなみに私は拘置所で数十万のお金を手にしました。
 これはおかしなお金でも何でもなく、保険を解約したり交通事故の保険金なのです。それをシッカリと把握して「迷惑料」だの「お金が無いから、貸して欲しい」だの...本当に10日に一度は来ていました。
 ココは私も計算していたので、そうそうは手渡さず必要最小限と思われる金額しか渡しておりませんでした。
 そして株の売却や遺産で手にしたお金などで出所後も何とかなると思っていた矢先.....私の通帳には車一台がゆうに帰るお金が.....

 「無い!数百円しかない!!」

 問い詰めると「アレはお前のお金やない!」とキレてましたね。
 私も最初は我慢していたものの、最後は「お金に名前は書いてないけど、お金は何処に所属していたか現金以外はちゃんと居場所を住民票みたいにして証明できるんやで?今すぐ銀行の監視カメラやその引き出した通帳の日付とサインを見ようか?私は出してないって証拠はちゃんと刑務所がしてくれるからな?」(彼はどうも私の印鑑を勝手に使い、数万円ずつ引き出しておりました)

 とまぁ、後日なったワケですが...それはまたいつか。
 その前に冷静に身元保証人の所に私たちは決められた一定期間はいなくてはいけないので、私もグッと我慢して…何円何十銭で稼いだお金からシャンプーだのなんだの日用品を買ったことを覚えております。
 そしてそのお金から何故か父親専用のテレビも買わされました。

 再犯について色々と世の中には活動していますが、「仲間との再会」や「薬」など色々とあるでしょう。しかし、本当の危険はこの身元引受人であることには誰もこの時点で気付いておりませんでした。

 そして私は後日「仮保釈中」にも関わらず、ちゃんと合法で父親のいる実家から再び飛び出すことになったのです。
 そう....このまま一緒にいては私は生涯(一時の母親のように)父親の食い物にされ、また心の整理も着かずフラストレーションが溜まり、悪循環になる事を悟った出来事でした。

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