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アメリカで遭遇した超有名ブランドデザイナーとの奇妙なできごと

Image by Olia Gozha

こんにちは。

アメリカ在住9年目のどでぃーと申します。現在二児のパパです。

実は先日奇妙なできごとがありました。

事実ありのままをお話ししたいと思います。


自宅近くのゴミ捨て場に向かっていたら、急いでそうな白い車とすれ違いました。午前10時頃だったと思います。

ゴミ捨てが終わり自宅に向かって歩いていたら、その車がバックして戻ってきました。


謎のおっさん「スミマセン!空港にはどうやって行ったらいいデスカ!?」


おっさんが急に話しかけてきました。

雑誌のレオンに出てきそうなおそらく40代後半あたりのかっこよさげなおっさん。真っ白いボタンシャツにサングラスをぶらさげて、カジュアルだけど品のある雰囲気でした。

英語はかなりうまいけど結構訛ってる。旅行者かな?


どでぃー「ここに向かって◯◯の高速に乗った方がいいですけど、、、携帯のマップ使ったほうがいいかも。」

謎のおっさん「あ、携帯あります!でもどれが自分の正しい空港かわからなくて。」

確かにアメリカは空港が周辺にいくつかあったりして、正確な名前を知らないとまたマップが搭乗用の場所を正確に示してくれなかったりします。

僕は携帯を借りてGoogleマップ上で正しい場所を検索かけてあげました。

謎のおっさん「ありがとう。本当に助かった!仕事帰りで空港に向かってたんだけど迷っちゃって。。飛行機までの時間に余裕ないからヒヤヒヤしてました。」

どでぃー「それならよかったです。出張で来てるんですね。」

とそこから雑談が始まり、お互いのことや仕事のことなど身の上話に。

僕も出身は日本で今アメリカで仕事してることを話しました。


謎のおっさん「そうイタリアから来たんですよ〜。BOTTEGAっていうレザーのファッションブランド知ってます?僕はそこでデザイナーをやってまして、新作披露のイベントに出席してたんですよ。」

どでぃー「デザイナーかー。すごいですね〜。」


ん??BOTTEGA?


どでぃー「あのボッテガ!?財布とかで有名な超高級ブランドの!?」

ボッテガデザイナー「あ、知ってますか!?嬉しいなぁ〜。そうなんですよ〜。僕は財布ではなくレザージャケットの担当なんですけどね!今回その新作披露をしてたんですよ。」

どでぃー「すげー!すごすぎ!あれほどの高級ブランドの現地デザイナーなんて初めて会いましたよ。」

ボッテガデザイナー「そうなんですね〜。あ、この新作見てよ!めちゃめちゃクオリティーいいでしょ。」

と車の後部座席に置いてある袋を取り出して、新作披露会がはじまりましたw

僕は外から助手席側に顔を乗り出してる状態で、助手席にサンプルの新作ジャケットを一枚ずつ置いて見せてきました。サンプルと言っても量産前なだけだけで完成品です。

どれも重厚なリアルレザーで、めちゃめちゃ高そう。。

ってかやっぱりイタリア人って陽気やな〜。

と思いながら10枚程度見せてもらいました。

どでぃー「いや〜すごいですね。いいものを見せてもらいました。ありがとう!」

ボッテガデザイナー「いやいや〜こちらこそありがとう。本当助かったよ〜。」


とそろそろお別れの雰囲気になってきた時。


ボッテガデザイナー「あ、そうだ。お礼にこの中の1枚あげるよ。」

どでぃー「え!!???どういう意味??」

ボッテガデザイナー「これだけのジャケットをイタリアに持ち帰っても入国で高い税金取られちゃうんだよね。もったいないしせっかくだからあげますよ。選んでください。」

どでぃー「マジっすか〜!いや〜でもそういうレベルのモノじゃないし、サイズもわからないし・・・」

ボッテガデザイナー「全部Mサイズだからその体型なら合うと思うよ。ちょっと試着してみて。」

と一枚もらい試着したらまあまあぴったりw

せっかくなので一枚もらうことに。

どでぃー「ほんとにありがとう。なんて言っていいか・・・」

ボッテガデザイナー「ついでにこれとこれもあげるよ。一緒に持ってって〜。」

どでぃー「WHAT!!!????」

なんと全部で3枚もくれることになり、車にあった布バッグに入れて、渡してくれました。

ただ道を教えただけなのに・・・感謝を超えて、なんか申し訳なくなるくらいの気持ちになりました。

ってかこのおっさんどんだけ陽気でいい人だよ。

どでぃー「なんて言っていいかわからないけど、、、本当にありがとうございました。」

ボッテガデザイナー「全然いいよ。どうせ持ち帰っても損するだけのものだから気にしないで。あ、ちなみに一個お願いがあるんだけど。」

どでぃー「なんですか?」

ボッテガデザイナー「妻にお土産を買ってあげたいんだけど、せっかくだからなんかもらえないかな?」

どでぃー「もらえないかってどういう意味ですか?うちにある何か私物ってこと?」

ボッテガデザイナー「うんそれでもいいし、なんか他のでもいいし。」

どでぃー「ん〜、身近なモノ・・・。なんだろ・・・。」


意味がよくわかんなかった。お土産のオススメを訊いてるわけでもないし。。しかも初めて会った人の奥さんに私物をあげるっておかしくない?

でもなんとなくジャケットのお返しに何か欲しいんだなってことはわかりました。

でも急に言われても何あげたらいいかわからないし、っていうかこの状況で自宅に戻って探しにいく時間もないし。。

これだけのことをしてくれたので、何かしてあげたい気持ちにはなってたけど、正直どうしていいかわかりませんでした。

ボッテガデザイナー「それなら妻はちょうど新しいI-Phoneが欲しがってて、買ってあげる予定だったんだけど、代わりに買ってもらうのってどうかな?」

どでぃー「え??どういう意味?俺がI-Phoneを買うの?どこで?どうやって払うの?」


この辺から話の意図がよくわからなくなってきて、混乱してました。


ボッテガデザイナー「そうそう!でもお互いそんな時間ないだろうから、ざっくり700ドルくらいもらえないかな?空港着く前に買いにいくから!」

どでぃー「え、キャッシュをあげるの??今そんなに現金ないし、申し訳ないけどそれはできないかなぁ。」

ボッテガデザイナー「700ドルだけだよ!そのジャケット3枚で軽く5000ドル以上の価値はあるよ!だけどせっかくだからあげたいし、妻を喜ばせたいし、それだけお願いできないかな?」



とにかく話の展開についていけなくて大混乱の僕でしたが、、、、、ここらで整理できてきました。



なーーんか雲行きが怪しくなってきたぞw



ということでギアを切り替えつつ、状況を整理してみた。


・英語は結構訛っててネイティブじゃない。

・後部座席にもパンフレットみたいな冊子数冊とジャケットが入っているバッグ、それとダンボールが1つ。

・運転席から助手席側に回った時に、トランクにちらっとスーツケースが見えてた。


ん〜それっぽいっちゃ〜ぽいか。


どでぃー「申し訳ないけど、現金は払えないよ。ジャケットは返すよ。」

ボッタクリデザイナー?「いやせっかくだからもらってよ!ただちょっとだけお返しが欲しいだけなんだ。免税店でバッグ買ってあげるだけでもいいから、なんとかならないかな?数百ドルとか。」

どでぃー「申し訳ないけどそれもできない。ジャケットも返すよ。」

ボッタクリデザイナー?「いやいやもったいないよ。ほんとに。それめちゃくちゃ高いし、売ったらとんでもないことになるよ!なんでもいいから、妻のお土産に少しだけお願いできないかな?」


なんかしつこい・・・。


どでぃー「それはわかるんだけど、お返しに現金は渡せないよ。これ返すね。」


ジャケットの入った布バッグを返しました。


ボッタクリデザイナー?「本当にいいの?これ余裕で5000ドル以上するよ・・・。お返しにちょっとだけでいいんだけど。」


マジしつこい。。。


どでぃー「いやそのジャケットいらないし、現金も渡すつもりはない。それに空港行かなくて大丈夫なの?」

ボッタクリデザイナー?「そうかぁ。。残念。そうだね、そろそろ行かないと。本当にありがとうね。」

どでぃー「You're welcome!Good Luck!」


とこんな感じで別れました。



なんだこれwwwwww



話の雲行きは怪しくなってきてしまいましたが、彼は終始陽気でフレンドリーな人でした。



これは一体なんだったんでしょうね。

可能性としてはこの3つ。

①全部ウソ。ジャケットも偽物でただの詐欺。

トラブルを装い助けてもらう→相手が恐縮するほどの規格外のお礼をする→お返しを要求。

気になったのは話しかけられる前、すれ違った時点ですでに急いでたっぽかったこと。格好から車内の荷物までそれらしかったこと。

失態としては、名刺もらってみればよかった・・・。

それと普通詐欺なら旅行者を狙うはず。そこもちょっとおかしい。まぁネイティブじゃないから自分が困ってる旅行者を装って現地人を狙うっていう手口の可能性もあるけど。

その時の俺は寝癖付けてスウェット上下にサンダルというみすぼらしい姿だったんだけど、そんなやつターゲットにするかね・・・。

と不自然な点がいくつか。。

②詐欺だけどジャケットはホンモノ。盗品か何かで現金化したかった。

ボッテガのジャケットは確かに上質な本皮で、ホンモノっぽかった。

真贋の確信は持てなかったけど、長年アパレルバイヤーやってたんで、クオリティーは大体わかりました。それとタグの作りも展示用のサンプルによくあるようなホンモノのタグっぽかった。)

③素性は本当だけど、ずる賢い商売人

英語は訛ってたけどかなりうまかった。ジャケットのディテールの説明とか、ブランドの人間だとイメージしても遜色なかった。

もし本当だとしたらシーズン毎にコレクションがあるから、定期的に来ているはず。定期的に今回のような手口で会社のジャケットを現金化し、自分の懐におさめていたケース。



まぁ結局はなんだったのかわからず、とてもとても奇妙なできごとでした。


家に戻ったら、妻に「ゴミ捨てにどんだけ時間かかってんの!!??」とつめられましたw


あなたならどうしますか?


Doddy

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