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残された道はクラウドファンディングだけ?

Image by Olia Gozha

 私は大学時代に英検2級に1回落ちて、2回目に合格できた程度の英語力でした。大学卒業後は塾講師として英語を中学生に教え始めましたが、授業中に適切な返答が出来ない時もありました。それで、独学で英語の勉強を進めて英検1級に合格できたのは30歳でした。

 その後、通訳ガイドの国家試験に合格した時に「英語の資格を取ろう」(法学書院)に英語の勉強方法を書いたら原稿が掲載されました。その資格を利用して、夕方は自分の塾で教え昼間は名古屋の河合塾学園などで非常勤講師をさせてもらいました。指導方法や教材を研究したかったのです。

 しかし、自塾でも予備校でも集団指導の限界を感じました。その頃に、日本はバブルが弾けて少子化も相まって塾や予備校は不況に陥り、非常勤講師はクビになりました。私は、自塾では個別指導を増やし昼間の時間はZ会の通信添削で「京大即応」を始めました。ネットが広がり高校生がスマホを持ち始めていたので写メを使った添削を非常勤講師の代わりの仕事に出来るかと考えました。

 結局、Z会は8年間続けて添削方法を盗み、河合塾や駿台の京大模試を10回受け、センター試験を10年連続で受け、京大の二次試験は7回受け、どのような解答が実際に高得点を得られるのか研究し続けました。

 受験に必要な調査書を入手するため母校の四日市高校に行くと「30年も前の成績表があるわけない」と言われ、センター試験の受験会場の三重大学では不審者扱いで入場拒否にあいました。1回の受験で新幹線代、宿泊費、受験料などで7万円ほど必要でした。7回受験で、通帳から50万円ほど消えました。

京大二次試験の英語は8割、数学は7割の得点率になったので、ブログ、YouTube、ホームページなどで告知をして通信生を募り自分で添削を始めました。最初の年は、通信生は一人でした。

 7年後には人口が5万人にも満たない三重県のいなべ市の小さな個人塾で7年連続京都大学の合格者が出ました。その中には京大医学部医学科の合格者が3名います。自分の指導方法に自信を持ちました。

そこで、エッセイを発表するサイトで勉強方法を書いてみたら好評でした。しかし、多くの人に知らせることが出来ません。

それで、漫画を描いてくれるサイトを探して漫画化してくれる人を探しました。ただ、アマチュアの方でも作画料がモノクロで1ページ8000円。カラーだと10000円以上が必要でした。プロはその倍の予算が必要。予算がないのでモノクロ13ページで作成してもらいました。

 それを「私の京大合格作戦」(エール出版)に送ったところ、合格者の原稿のみという原則なのに採用されました。現在販売中です(2019年10月)。それでも、多くの人の目に触れることはありません。

 そこで、自費出版を考えました。調べたら100万円ほど必要でした。塾の経営は順調だけれど、月謝を塾生の方に直接還元するわけではない出版費用にまわすわけにはいかない。

近所のC銀行で融資が可能か尋ねてみたら「当行では企業塾が勝ち組、あなたのような個人塾は負け組だと考えています」と面罵されてしまいました。

 今年63歳となり、老眼で小さなノートパソコンの画面では書きづらくなってきた。もはや残された時間も多くない。20歳の頃から40年間研究してきた結果が日の目を見ないで終わるのは無念です。

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