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13/7/3

それは神がかり的な出会いから始まった~その7

Image by Olia Gozha

懐かしい旧市街を見学した私たち。


義母も叔母も、

これで心おきなく日本に帰ることができます。


平泉の駅もこれで見納め。

しみじみと眺めていたら、案内の方が大きな箱を持ってきました。


「よくこの町に帰ってきてくれました。

 これは私たちからの贈り物です。

 これからもずっと元気で長生きしてください」


「えっ!?」


「これは平泉の工芸品なんです」


それは大きな絵でした。

縦横1mはある大作です。




「これを私に?」


義母の目からまた涙がこぼれました。


「懐かしい風景を見られただけでも充分なのに、

 こんなに良くしてもらって……」


後はもう言葉になりません。


案内の方は、自分の母親に接するように

優しく義母の肩に手をかけ、ただうなずいていました。


この国に来て、ずっと感じていたんですが、

皆さんお年寄りに優しいんです。


電車でも、地下鉄でも、必ず席を譲ってくれる。

自分の身内を思いやるかのように気を使ってくれる。


私たちが旅行者だからじゃないんです。

お年寄りを敬う文化が根付いている国なんです。


思わぬ展開に、一同しんみりとしたところで

義母からこんな提案が。


「皆さんでお昼ごはんでも一緒にどうですか?」


街を案内してくれた方々にお礼をしたいと言うのです。


もちろん大賛成!

私たちは、どうにかして感謝の気持ちを表したいと思いました。


「気の利いたレストランはないんですが、

 良かったら私たちがご案内しましょう」


案内の方が連れて行ってくれるというので

車で後に続きました。


観光客などいない町です。


だからレストランといえば、地元の人が行く

やや大きめのお店を想像していたのですが……

着いたとこはなんと!!


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