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ガソリンスタンド経営者だった夫がガンを患って木工作家になっちゃったお話その2

Image by Olia Gozha

■ガン闘病と廃業 

夫は片方の睾丸を摘出しました。

摘出した睾丸にはお米大の白い粒状のものがいくつかありました。それがおそらくガンだろうと言われました。


実はわたしたちの結婚後、義父と夫はガソリンスタンドとガスの廃業を本格的に決め、2000年に入ってからガスの権利の譲渡に向けて水面下で動いていました。


ガソリンスタンド業は、通常の業務に加え灯油の配達も増えるので、冬が繁忙期。


お客様に迷惑がかかるので、夏の廃業にしようというのが、義父と夫の考えでした。


ガスの権利の譲渡先が決まり、2000年6月末をもってガソリンスタンドとガス業の廃業、と決めた矢先に夫が入院。


急な発表に社員もお客様も驚かせてしまいましたが、予定通り6月末をもって廃業しました。


ガソリンスタンドの現場を仕切っていた夫は、お客様に挨拶することも出来ず、病院の中でその日を迎えました。


検査の結果、夫は精巣腫瘍のステージ1期と診断されました。


セミノーマという種類のガンで、比較的たちのいいガンであること、

幸い転移も見られず、予防的に放射線治療などをすると子どもができづらくなることから、定期検査を条件に経過観察をしていくことが決まりました。


わたしは勤めていた社団法人を退職し、会社の残務の引き継ぎをすることになりました。


うちにいた社員さんたちは、ほかのガソリンスタンドへの就職のあっせんをしたり、ガスの権利を譲渡した会社へ雇ってもらうよう話をつけたりとできるかぎりのことはしていました。


が、当然のことながら、突然廃業を告げられた社員は心良く思っておらず、夫の両親や夫など経営陣への不満が吹き出し、わたしは引き継ぎをしながら誹謗中傷を受け止めることに必死でした。

夫が長年苦しんだ気持ちが少しわかりました。


引き継ぎが終わり、社員が全員退職をして、会社は家族のみでの経営となりました。


会社という形は残し、これから方向転換をしていかねばと考えている時期でした。


夫は睾丸の摘出だけで、治療らしい治療をしなかったので、わたしたちは「ガン」という認識が薄く、ガンの怖さを知らないまま、また普段通りの生活に戻っていきました。


摘出から4ヶ月後

わたしは妊娠しました。

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